PVを追い求めることが問題解決とは限らない!本当の問題を発見する4つの方法

どうも。元トリマーで現在Webディレクターのよしたけはるきです。

Web制作の現場で、よくお客さまから言われるご要望として、

「サイトのPVを上げてよ!」

みたいなことありますよね?

でも、それって何が問題で、PVを上げると本当に解決することなのでしょうか?

「はい、かしこまりました!」

と言って、PVを上げるぞーって取りかかれば良いだけ? 本当の問題は別のところにあるのでは?

そこで今回は、問題発見に導いてくれる一冊、問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」を参考にして、「理想の姿を構想するために役立つフレームワーク・問題発見の4P」についてお話したいと思います。

「問題」とは理想と現実のギャップ

problem

そもそも問題ってなんでしょうか?

それは、理想と現実のギャップです。

理想の認識がズレている場合もあれば、現状の認識がズレている場合もあったりして、そうなると問題を正しくとらえきれないことも多いです。

そこで、問題発見の4Pと言われるフレームワークの登場です。

今回は、お客さまのWeb担当者に「ねぇねぇ、うちのWebサイトのPVが伸びなくて困ってるのぉ。何とかしてくんない???」なんて言われた場合を例として考えてみたいと思います。

問題発見の4Pを使って考えてみる

1.Purpose(目的軸)

purpose

PVが伸びないと聞いた時、あなたならどうしますか?

まず最初にやることは? アクセス解析画面を見る?

違います。

まずはお客さまに聞いてみましょう。「サイトの目的は何ですか?」と。

このサイトを通じで誰をどういう状態し、自分がどうなることが理想(GOAL)ですか?と。

それを聞かずして、数字だけを追いかけてPVのみ上げようとしたところで、問題を取り違う可能性大です。

例えば、PVが上がらないのは記事の本数が足りていないからだと安易に考えるのは間違いなわけです。

  • PVを上げなければならない?
  • UUを増やさなければならない?
  • サイトの回遊率を上げなければならない?

いろんな現象があって、いろんな問題があるわけです。

どこかの数字だけをターゲットにして、その数字だけを動かすことができても、本来の目的を見失っていては、何のために何をしていたのかという事がブレてしまいます。

PVだけを必死に伸ばそうとして、とにかく記事配信数を増やしたとします。その結果、10PVの記事が100本できて、トータル1000PV増えたとしても、それはサイトの目的に合致しているのか?って話です。

もちろん数は大事です。しかし、目的が「コアなファン層を増やしたい」場合、上記のような人海戦術で短期的なPVを狙ったところで、目的からすると逆行することになるわけです。

ま、さすがに思いっきり逆行することは少ないかと思いますが、斜めに向かっちゃうことはよくある話ではないでしょうか?

2.Position(立場軸)

position

さて、よくある話シリーズみたいになってきましたが、お客さまはこう言われています。

「うちの客はさー、大体がMac大好きだから、もっとジョブズジョブズしたiPhone最高って記事にしたらいいと思うんだよねー」

おい、ほんとか?それ。それはただあんたがMac好きなだけじゃ…(ry

もしもターゲットユーザーが「スマホユーザー」であった場合、Androidを無視してiPhoneだけにしてはダメですよね? iPhoneでは当たり前のことであっても、Androidでは使えないみたいなことはよくあります。

例えば、iPhoneではディスプレイの上部をタップすれば、ページトップへ戻ることが可能ですが、Androidではほとんどがその機能を有していません。なので、ページトップへ戻るボタンの設置を怠ってはならないということもあります。

自分がiPhoneユーザーであったりすると、意外とそういうことに気づけなくなっているものです。

つまり、問題のとらえ方は人の立場によって変わるので、問題を発見する際には立場を変えて考えてみようという方法です。

サイトの製作者たるもの、なるべくフラットな立場・考え方をできるよう心がけると良いかと思います。

誰が読むんですか?誰が使うんですか?

その記事は誰に向かって書かれた記事なのかを忘れ、ついつい自分を基準にしがちなので、視点(立場)を変えて考えてみると、新たな一面に気づけるかもしれませんね。

3.Perspective(空間軸)

perspective

お客さまが、あるコンテンツに対して強いこだわりを持っていて、何度もリテイクがかかっているとします。

でもそのこだわりって、本当に必要なことなのでしょうか?

例えば、コンバージョン導線をずっと眺め、ボタンの色やサイズを変えたりするかと思います。それでその部分のコンバージョン率は変わるとは思いますが、そもそもの商品ニーズは十分なのでしょうか?

コンバージョン率を上げることはもちろん重要なのですが、その先の商品ページに魅力がなければ、結局そこで離脱してしまいます。

また、そもそもニーズが存在するユーザーに届いているかなど、見るべきところはたくさんあります。

内容にこだわるのも良いですが、そもそもの方向性に問題は無いのでしょうか?

自分の範囲はここまで、と決めつけて、その枠内で問題を探していませんか?
もっと俯瞰して見てください。

4.Period(時間軸)

period

お客さまがすぐに結果を欲しがって、コンテンツ作成よりも広告出稿しようと言い出したとします。

確かに広告出稿も有効な手段ですし、手っ取り早くPVを集めることができるでしょう。

ただ、そこに優れたコンテンツがなければ、せっかくアクセスしてくれた見込み客がすぐさま閉じて帰ってしまうことになります。

目的は今のPVだけか?って話です。

広告を打つなと言っているわけではありません。まだ慌てる時間じゃないかもしれないってことです。

確かに、広告を打てば今の状態は変わるかもしれません。ですが、それがサイトの未来にとって本当に良い施策なのでしょうか?

ブランディングがめちゃくちゃの状態なのに、とにかくファンを増やすためにはPVなんだと広告を打っても、結局未来において残らない人達を呼びこむだけと言えます。

それではただのドーピングであり、いつかツケが回ってきます。

現在、近い将来、遠い将来で考え、今は何をすべきなのかを見なければなりません。

例えば、記事配信直後はPVが無くても、検索エンジンにクロールされ、検索流入によってPVが伸びることが期待できるのであれば、じっくりと熟成するのを待てば良いことなんです。

SEOによる検索流入が見込めるのであれば、慌てて広告を打つ必要は無いかもしれませんよね。どのタイミングで広告を出稿すれば効果が最大化するのかを考える。今なのか?それとも?

ネタには旬や流行りがありますが、時代が追いついてないってことも多々あります。ブームがあとから来ることも珍しくありません。

問題をとらえる時間、期間を把握しておかないと、目先のことで足元がおぼつかなくなりますね。

まとめ

いかがでしたか?

4つの軸で考え、あるべき姿を想像すると同時に現状を分析し、多角的にとらえることでいろんな発見があるかと思います。

問題を発見し、どのように解決すべきなのかとても考えやすくなりますね。

この記事を通じて、みなさんの問題がいち早く発見できることを願っています。

それではまた。