ども、ゆうせいです。仕事に限ったことではありませんが、誰かに何かを言う時に、下手(したて)に出ることを負けだと思っていませんか?
下手に出ることは決して負けではなく、上手(うわて)に出るためには下手から入ることもかなり有効な手段です。
今回は、うまく下手に出ることで物事をスムーズに運ぶコツをお伝えしたいと思います。
上手に立つためにあえて下手から出る
そもそも、下手と感じるからには自分の方が立場が上だという認識があるはず。仕事において言えば、上司から部下、先輩から後輩にという立ち位置ですね。
ここで1つ。とある仕事を頼むときに、それを「命令」として出すのか「依頼」として出すのかという考え方で、言い方は随分と変わってきます。
たとえば、
「この書類を10部コピーしてこい!」(命令)
ではなくて、
「この書類を10部コピーしてきてください」(依頼)
ということです。
もし、「コピーしてこい!」なんて言われたら、「は?コピーくらい自分でやれよ!」と思うのが普通です。その人はコピー機でもロボットでもなく、人間ですから、当然の感情です。
そんな簡単なことわかってるよ。と思いました?
では、ここにクライアントが絡んできたら場合はどうでしょう?
Web制作の現場でありそうな事例を元に、ちょっと例をあげたいと思います。
クライアントには下手、メンバーには上手は大間違い
とあるWeb制作会社にて。クライアントから突然の変更依頼があったとします。この時、ディレクターの心境とすれば、納得いかないと思いながらも、お客さまの言うことだから仕方ない、と無理やり納得せざるを得ないケースもあると思います。(全員とは言いません。)
そして、内部の制作メンバー(エンジニア、デザイナー)に対して、「変更があったので対応してください。スケジュールはそのままです。」と伝えがち。
ところが、言われたメンバーからしたらたまりませんよね。仕様書通りに作ったところ、急に変更になったと言われても簡単に納得できるわけがありません。「チャーハン」と言われて作ったら「マーボー丼」と言われるぐらい納得がいきません。
もちろんディレクターだって本当のところでは納得はしてません。でも相手はお客なので下手に対応し、言いやすい内部メンバーに対して上手に出るしかないのです。
しかしながら、ここに少しだけ気を使うことで、ものすごくスムーズになります。
クライアントにはこう下手に出る
まず、クライアントに対して、
- 工程が変わることをクライアントに伝える(伝えるだけでもOK)
- スケジュールの調整を打診してみる
ということをします。
クライアントからしたら、「さっきの定食、やっぱり大盛りで」くらいのテンションで依頼していることがほとんどです。
だから、「多めにごはんを盛る」だけでは済まないことですよと伝えておく必要があります。
注意したいのは、「やりたくない」という誤解を与えるのではなく、あなたの言っていることは、あなたが思うほど簡単なことではありませんよ、と軽く伝えるだけでいいということ。
ほんの少しでも、クライアントに「急な依頼をして申し訳ない」と思わせるだけでOKです。これをしておくだけで、対応完了後にはものすごく感謝してくれるようになります。
次に、ダメ元でスケジュールの後ろ倒しをお願いしてみるということ。1日だけ猶予をもらえませんかと。これも、クライアントに「あれ、簡単なことじゃないのかな?」と思わせるためです。
リリース日が決まっている場合、後ろ倒しすることは難しいですが、これを言っておくだけで、万一遅れたとしても、全部こちらの責任では無いという逃げ道をつくる意味もあります。
クライアントに対しては、まずはこれだけやっておきたいところです。
内部メンバーにはこう下手に出る
さて、次に内部の制作メンバーに対してですが、
- より良い仕様にする話し合いによって修正が発生した
- スケジュールの交渉もお願いしてみた
ということを伝えます。
まずメンバーに理解してもらうために、この修正は仕方のないことだったのだと伝える必要があります。
「クライアントが言ってるからどうしようもない」なんて言い方をしようものなら、極端な話、「あんたはクライアントの犬かよ」と思われてしまう可能性があります。
ユーザーのことを考えて突き詰めた結果、やむなく変更することになった。一緒により良いものを作ろう!と協力体制を強化しなくてはいけません。
さらに、スケジュールの交渉もしてみたけれど、先方からは良い返事がもらえなかったと伝えることです。
クライアントに対しては、言うべきことは言った。でもどうしようもなかったんだ。この人(ディレクター)もやるべきことはやってくれたんだな、と思ってもらえるように。
まとめると、クライアントには変更によるタスク増加をちゃんと理解してもらう。メンバーに対しては、クライアントには掛け合った、でも致し方ない変更であると分かってもらう。
これで物事がスムーズに進むと思いませんか?
ようするに、クライアントにもメンバーにも下手に出るということ。それで、自分は上手に立つことができるのです。
さいごに
ここまで読まれて、
「ふざけんな!俺のプライドが許さねえ!」
と思われたかもしれません。自分も昔はそうでしたから、とてもよくわかります。
でも、そのプライド(と呼べるかどうかわかりませんが)を守ったところで、仕事は上手く回らず、クライアントや上司から叱責され、下からは突き上げをくらって、家で1人ビールを飲むことが多かったです。
嘘をつくのは論外ですが、時には下手に出ることで上手に立てるなんてこともあります。参考になれば幸いです。
それではまた。
ご存知、ゆうせいでした。