2016.04.08
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ビットエーブログ編集部
会社のビジョンと広報のゴールを見失うな!ギークス株式会社の広報戦略
他社の広報担当さんから成功例やノウハウが聞きたいシリーズの第3弾をお送りします。今回はギークス株式会社の広報である松井瑞恵さんにお話をお聞きしてきました。
えりーの愛称で知られている松井さんは、実はIT業界も広報も未経験でスタートしながら、1年で1,300枚の名刺を交換した強者です。とにかく人脈づくりに奮闘し、その後はしっかりとした軸を持って広報活動をされています。
そのあたりのノウハウをバッチリ聞いてきました。
ギークス株式会社について
専門性やスキルを持った経験豊富なフリーランスエンジニアと、技術力を求めている企業をつなぐクラウドエンジニアリング事業を軸に、音ゲーアプリを中心としたスマホゲーム事業、スマホアプリ事業、新規サービス、映像・動画制作事業などを展開。また、無料イベントスペース「21cafe」も運営し、IT、Webに関わるテーマであれば無料で会場を提供している。さらに、英語力のあるエンジニアを育成する取組みも行っており、グローバルなIT人材の活用、育成にも注力している。
会社のビジョンと広報のゴールを常に見据える
まだ広報になってから1年ほどなのですが、とにかく人脈を広げ、上司や先輩から多くのことを学ばせていただいています。また、広報の横のつながりを広げるために、広報担当者が悩みを相談したり、自分たちのナレッジを共有する「広報たん勉強会」も運営しています。
それにしても、1年で1,300枚の名刺を交換されたんですよね…。すごすぎますよ。多くを学ばれているとのことですが、中でも1番の軸になっていることは何ですか?
それは、会社のビジョンと広報のゴールを絶対に見失ってはいけない。ということです。
えりーさん曰く、事業を多角的に展開している企業の場合、サービスやプロダクトの広報活動は現場とリレーションを取りながら行うことになりますが、それらが「点」の広報になってしまうリスクも含んでいるため、その根底にある会社のビジョンと広報のゴールをしっかり設定する必要があるそうです。
広報活動の考え方として大事にしているのは、だれに、どんなメッセージを、どのように伝えるのか、というステークホルダーごとの広報ゴールをきちんと設定することです。まだ発展途上の表ですが、チラっとお見せするとこんな感じです。
ステークホルダーごとの広報ゴールを設定せよ
※画像イメージです。クリックすると別窓で開きます。
- まず会社のビジョンがあり、
- その下にステークホルダーが、
- そしてステークホルダーごとの広報ゴールを設定し、
- ターゲットメディアは何か(具体的な媒体名)を設定する
確かにこの表で考えると、誰に対し、何を、どこのメディアを介して伝えるか、が明確になります!
例えばエンジニアがステークホルダーの場合、テレビや新聞もそうですが、Webでの露出も効果的です。エンジニアの方はWebやSNSで情報収集している方が多いですから。
なるほどです。テレビ・新聞の力は大きいですし、話題にもなりますが、ステークホルダーによって、効果的に伝えられる媒体の選択が他にもあるということですね。
伝えたい相手がどこで情報収集しているのか常に考えています。エンジニアさんとお話する機会があれば、「いつもどこで情報収集してるんですか?」と聞いてみたり。
テレビや新聞は、会社のブランディングやユーザーの獲得という目的で露出していきたいです。クライアント様や社員の家族などが見ていたり、うちはゲームも作っているので、ゲームユーザー様も見てくださることも多いので。
それもステークホルダーに当てはめて考えるとよくわかりますね。この区別ができていないと、何のためにテレビに出るのか、新聞に取り上げてもらうのかわからなくなり、目的を見失ってしまいそうです…。
とは言え、合致しないと全部お断りするわけではありません。たとえ会社名が出なくても、取材協力を依頼された場合は、お受けできるものであればできる限り調整します。メディアさんとのリレーションを大切にしたいからです。
はい。メディアさんが情報を探していらっしゃるときに、スピーディーに情報提供できるような広報でありたいんです。そのためには日頃からの情報交換などを通じて、良好な関係性の構築が大切だと思っています。
また、メディアリレーション以外にも、えりーさんが行っている広報活動の中に、
があります。
ギークスマガジンはエンジニアをターゲットにしたオウンドメディアです。一方で、21cafeはIT・Web業界のエンジニアが勉強会や交流会を開催する場合に無料で貸し出ししているイベントスペースです。この二つ、広報戦略上の意味をしっかりと持たせて活用しているそうです。
ギークスマガジンは編集部4名でブレストや企画出しを行っており、その際に、本当にエンジニアにとって有益なコンテンツなのかを第一優先で考え、たとえ面白いネタであっても、メディア運営ポリシーに沿わないものは記事にしないとのこと。
オウンドメディアの運営も、誰に、何を伝えるか、きちんと設定しておかないと、結局何が伝えたいことなのか分からなくなりますから。
ネタがあっても書くネタは選別し、メディアポリシーを貫く。その決意のおかげで軸がブレないんですね!
今後の目標は?
ニコニコしながら鋭いことを連発するえりーさんに、自分そんな娘やったんか!と心の中で思いながら、今後の目標を聞いてみました。
今後は3社提案など、他社と組んだ企画を提案したいと思っています。3社で共通項を探して、各社の強みを集めて、新たな切り口で提案ができればと思っています。人と人をつなげて新しい出会いや、ビジネスが生まれる瞬間に立ち会えることに1番のやりがいを感じるので、これからも広報を通じてそれを体感して、自分を磨いていきたいと思います。
勉強になりますどころじゃないです。師匠、明日の修行は何時からですか?ってレベルです。本当にありがとうございました!
お世話になりました
ギークス株式会社|総合インターネットカンパニー