”好き”をこねくりまわせ!デイリーポータルZ 林さんが明かす「バズ記事企画・編集術」

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ども、メディアチームのゆうせいです。BITAのある品川からほど近い五反田に、新たにOPENするコワーキングスペース「CONTENTZ」。

そちらのこけら落としイベントとして、デイリーポータルZの林雄司さんのトークイベント「Web編集者のネタ探し・企画の練り方」が開かれる聞き、仕事を放り出して参加して来ました。

このタイトル&キャスティングで行かない選択肢はないでしょう。仕事してる場合じゃねぇってやつですよ。ホント。

無駄に早く着いたので、まずは開催場所 五反田CONTENTZの紹介から

さて、勇み足しすぎて開催1時間前に到着してしまったので、まずは会場となった五反田「CONTENTZ」の紹介から。

いや別にこの会場から金貰ってるわけでもなんでもないんですが、とりあえず何かと良すぎたので、こちらもレポートしておきましょう。

CONTENTZ入り口

”いつも「ゴキゲン」で「シゴト」が出来る場”をコンセプトに生まれた場所らしく、とにかく長居したくなるイイ雰囲気。

この椅子はいい椅子なんだよ

「国内外からクリエイターが集まれる場所」を目指しているとあって、チェアがまた豪華。このクラスの椅子を揃えたコワーキングスペースはまぁあんま見たことないです。

芝生スペース最高

なんと窓側には芝生スペースも!

日差しが良すぎて仕事がしにくい窓際のスペースを、「だったら芝生にしちゃおう」という逆転の発想で有効活用したものらしいです。

ここでくつろぎながら仕事をしたり、ごはんを食べたりもできちゃいますね。

とか言ってる間に、参加者の方も続々来られ、イベント開始の時間に。

おふざけはこれくらいにして、デイリーポータルZ・ウェブマスターこと林さんの講演レポートをご覧ください。

全ては自分自身とユーザーの「やってみたい」を叶えるために

●林 雄司さん(デイリーポータルZ・ウェブマスター)
186344_photo21971年東京生まれ。ニフティ株式会社勤務。
ご存知、『デイリーポータルZ』ウェブマスター。有名なこのアイコンの格好で来るとばかり思っていたら、ビシッとスーツだったので一回素通りしました。
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林さん曰く、デイリーポータルZはふざけたことをしているように見えますが、テーマは「夢をかなえるためにやっている」とのこと。

てっきりネタだと思い込み、僕含めた会場の全員が思いっきり笑ってしまったわけですが、続く(割と真面目な)説明を聞き、驚くとともにそのビジョンに納得させられてしまいました。

  • セレブになりたい
     → サングラスとスタバのコーヒーでセレブ風写真
  • 空を飛びたい
     → 地面に黒い布を敷いての浮遊風写真

などなど。

つまり、「ああなりたい!」「やってみたい!」という誰でも持っている個人的な願望、ようするに夢をかなえるためにやっているんだとか。

なるほど。デイリーポータルZが「一見ただふざけているようにしか見えないのに、多くの人から支持される理由」が分かったような気がします。

誰もが持っている極めて個人的な「やってみたい」をユーザーの代わりに全力でやってみてくれているから、強烈な共感とクスリとくる笑いを生んでいるんですね。

たった3つ!?驚きのデイリーポータルZ 記事作成パターン

正直、聞きながら「え?これ公開していいの?」と思ってしまうようなネタばっかりだった今回の講演ですが、中でもやっぱりハートに響いたのはこのメソッド。

極論すると、デイリーポータルZの記事パターンは以下の3つで分類できてしまうんだとか。

  1. 珍しい人・ものに触れる・つくる
  2. 見てるけど見てないものにこだわる
  3. 好きなものをこねくり回す

今回のトークイベントは3番目の「好きなものをこねくり回す」を深堀りして教えていただきました。

ので、1番目も2番目も超絶気になるんですが、今回は3番目について紹介したいと思います。(今度1と2も聞いてこようっと)

書き手の興奮が「読者の勘違い」を生む

語る林さん

メディア運用って、どうしても事業としてやっていると「読者にうけそうか」とか、「わかりやすさ」なんかを優先しがちだと思うのですが、林さん曰くそこがセンターピンじゃないらしいんですね。

1番大事なのは「書き手が最後まで興奮して書けること」

なんですってよ。皆さん。

書き手が興奮していれば、それだけで信憑性が増す。というか作り出すことができるんだとか。

どういうことかと言うと……

この人の書いてること正直よくわかんない
 →だけどなんかえらい楽しそうだな
 →こんなに興奮してるなら面白いのかもしれない!

なんだか勢い任せの詐欺に近い何かを感じなくもないですが、確かに言われるとなんとなく理解できてしまいます。

ようするに「お前がそこまで言うなら」的な感じで、こちらのノリに読者を引きずり込んでしまおう!ということなんでしょうか。

なるほど。確かにユーザーニーズを中心に置いてしまっては出てこないようなネタばっかりですもんね。デイリーポータルZの記事って。

障壁を打ち砕いてでも書きたい企画こそ本物

とにかく書き手が興味があることじゃないと、モチベーションが続かない。

林さんはさらに続けます。

なぜなら記事を書くのは誰だって辛いから。

取材して、記事を執筆する面倒くささにモチベーションが削られてもまだ興奮できることじゃないといけないと。

それでも書きたい!

上記のような数ある障壁を打ち砕いて、それでも書きたいと思える企画こそが本物ということなんだそうです。

興味がありまくることであれば、流行ってるとか、話題になってるとか気にしない。自分だけが知ってるこの面白さを誰かに伝えたくてたまらないものじゃないと。

それであれば、たとえその記事が外れてもあまり傷つかない。なんだったら「まだ時期が早かったかぁ」で済むと。

狙って外すと恥ずかしいが、これなら大丈夫だと(笑)。

確かに狙って狙ってそれで外したら本当に恥ずかしいですからね。
これはバズるぞぉとか言って外す。
もう目も当てられない。
消してくれ!俺ごと消してくれぇ!ってなったこと、僕も多々あります。

こっちを見ろ!興味のないやつを振り向かせてなんぼ

自分が興味のあることを書くとは言え、それだけだと話が狭くなりがち。

狭い話を伝わりやすくしたり、意外性のアレンジを加える事で下駄をはかせることも大事だと教えてくれました。

例えば、「貨物列車」について書きたいとします。その時、単に貨物列車について書いても興味をひくことは難しい。

そこで下駄をはかせる。

貨物列車のくだり

さらに興味のない人も振り向かせるために、専門用語などの読者を排除する言葉は使わないことも大切。

たとえたり、行動を描くことできちんと説明する。

その上で意外性が出るアレンジをする。

こんなに教えてもらっていいんですか?丸出しじゃないですか!と驚いていたところにさらに林さんはぶっこんできてくれます。

書を捨てよ書店へ行け!

デイリーポータルZの場合 いわゆる普通のアイデア作成術とは違い、まず自分で素材を見つけるところからなんか色々始まっています。

その素材の見つけ方も独特で

  • 書店へ行く
  • 雑誌をみる
  • 散歩する
  • 人と話す

とまぁ、こんな感じのフローをたどるらしいんです。

ようするに、思いもしないもの(ネタ)に出会う回数を増やすってことなんだとか。

しかしまぁここまでは割と想定の範囲内。だったんですが、ここからがとんでもなかったです。デイリーポータルZ流、見つけたネタのこねくり回し方……とくと御覧ください。

驚愕のゲームその1「好きなもの合戦」

名前のバカっぽいところがまさしくデイリーポータルZなのですが、好きなものを思い浮かべ、それと見つかった素材を比べるというもの。

例えば、見つかった素材が「カレー」だとします。

それと好きなものを比べる。

「カレー VS 毛布」みたいに。もうすでにぶっ飛び方がハンパないです。

何も思い浮かばないときは、Wikipediaのおまかせ検索(Wikipedia内の適当なページを無作為に出してくれる割といいかげんな機能)とかを使う。

で、好きな方を残す。

これを繰り返して、最終的に残ったものをテーマにするらしいです。

驚愕のゲームその2「ひとり連想」

さらに飛び出した第二の驚愕のゲームが「ひとり連想」

これは素材からどんどん連想でふくませていくもの。

「カレー → 辛い → つらい」みたいに。

で、2個前ぐらいのものとぶつける。

すると、生まれるワードが「激つらいカレー」となり、どう頑張ってもネタになりそうになかった「カレー」に関する記事がなんか書けそうな気がしてくるから不思議です。

まだあった驚愕のゲームその3「ひとりしりとり」

最後の驚愕のゲームがひとりしりとり。

これは何にも思い浮かばないときや、得意先で急に何かありませんかね?とか言われた時に大活躍しそうなもので

「カレー → レンガ → ガス」みたいにしりとりをする。

ええ。それだけです。

で、これもひとり連想と同じく2個前ぐらいとぶつける。

すると「カレーガス」になって、なんかありえないものが誕生します。

ただし、このゲームの恐ろしいところは、1個前とぶつけるとしりとりしたことがバレちゃうので注意が必要とのこと。

捕まらなくて怪我しないラインを狙え!

で、もう思いつかない理由が見つからないわけですが、選ぶポイントについても教えてくれました。

それは、

  • 興奮できるもの
  • 響きはキャッチーでも、やりたくないものは選ばない(辛いから)
  • 素材そのものに意外性があれば、そのまま「見に行く」でもいい
  • 捕まらない、怪我しないもの

最後のやつ、たまんないです。

どんなに面白くても捕まったら終わりですからね。

やっぱりどれだけぶっ飛んでも、超えちゃいけないラインはあるようです。

学びのあとの懇親会とまとめ

楽しすぎてあっという間にイベントは終了。

その後は懇親会となったんですが、トークイベントの質疑応答で聞けなかったことを含めて、林さんと楽しく歓談するという贅沢な時間を過ごさせていただきました。

林さん曰く、こうしたノウハウにまとめるのは時間がかかり、面倒な部分が多いのだが、これをやらないといつまでたっても自分が書かなくてはいけなくなり、それもしんどいから頑張ってるとのことでした。

ま、そのおかげで非常にためになるお話が聞けるわけです。今後もこうしたトークイベントに出られるということなので、今回参加できなかった方は、林さんの動向を要チェックですよ。

林さんとのツーショット
最後に、林さんの著書「世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書」にちゃっかりサインをもらい、ツーショットまで撮らせて頂きました。

あとから気がついたのですが、後ろに移ってるのは「オモコロ」のヨッピーさんのリュックらしいです。なんでここに置いたし…。

今後もデイリーポータルZから目が離せない、ご存知ゆうせいでした。