なぜコストゼロでテレビに露出し続けられるのか?サイボウズ広報が仕掛けるマス攻略マル秘メソッド

ども、メディアチームのゆうせいです。先日、五反田のCONTENTZで開催された「メディアに出続けるネタ作りのコツ!広報側とTV番組側、両方のノウハウを仕入れよう!」に参加してきました。そこで今回は、そのレポートと感想を書いてみたいと思います。

広報活動のみで10億円の効果を得る方法

椋田さん

今回お話をしていただけるのは、サイボウズ株式会社の椋田さん。サイボウズと言えば、「世界中のチームワークを良くする」をミッションとしており、同名のグループウェアは超絶有名ですね。

このサイボウズですが、実は2013年はほぼ月に1回はテレビで露出し、2014年も同様に約月1回は露出しているとのこと。

これって、広告規模で考えれば10億円クラスなのだとか!

なぜそんなにテレビに取り上げられるのか?そのあたりをガッツリ聞かせてもらいました。

旬のネタを「先読み」する

座る椋田さん

椋田さん曰く、ネタにも旬があり、時期によって多く取り扱われるものを把握することから始まるらしいです。

この先読みこそが、ネタを最大限に活かすことになるのです。

例えば、サイボウズの場合は以下のように分類しています。

  • 2~4月 新卒・新人関係
  • 5~6月 労働(働き方)
  • 7~8月 ファミリー
  • 9~10月 受験、就活、マネー、ビジネス
  • 11~12月 年末ネタ

一年を通して、チームワークや働き方を伝えるとしても、その時期にベストマッチするものがある。これって当たり前のことなのかもしれませんが、意外とできていない。

テレビ側が欲しがっていて、枠を多く準備しているネタをいかに準備しておけるかが重要ってことです。

さらに次はそれを、誰に、どう提案するかってこと。

誰が番組の決定権を持っているのかを知る

熱く語る椋田さん

ここで一つ整理しておくと、テレビ番組を作る人で、決定権を持つ人は2人。

・プロデューサー
番組全体のテーマ決定、スケジュール、予算管理、次クールの新企画のコンペなど。

・ディレクター
各回の放送テーマの決定。担当の特集、ニュースの責任者、イメージの絵をすべて作る人。

だそうです。

で、広報が注力すべきは「ディレクター」。番組全体のテーマを決めているプロデューサーよりも、各回のテーマを決めているディレクターを狙う。

テレビディレクターのネタの決め方とは?

その狙うべきテレビのディレクターは、主に3つの方法でネタを決めているようです。

  1. 特集したい、報道するニュースのリサーチ
    →書籍、雑誌、新聞、WEBなど。手に入れられる全ての情報を入手(主に活字)
  2. 最新情報を得るためのヒアリング
    (大学教授、企業などへの電話 or 対面取材)
  3. 構成検討

特筆すべきは、1番目。まず手始めのリサーチは「主に活字」だということ。

つまり、活字での露出が多ければ、その分ディレクターの目にも止まりやすくなり、企画の土台に乗ることが見えてくるということ。

だから、広報がすべきことは、

  1. ネタ探し、売り込みネタを決める
  2. 活字への露出
  3. ディレクターへのアプローチ
  4. 発信し続ける

となる。

こんなこと無料のセミナーで語っちゃっていいんですか?とか思っていたら、なんと具体的手法まで公開してくれました!

テレビディレクターを落とすマル秘戦略

1.ネタの作り方

ネタは時流と掛け合わせることで膨れ上がると言います。
サイボウズの例でいくと、

  • 時流×人事系(採用、制度)
    サイボウズの選べる人事制度、育休6年、部活などといった人事制度を単に紹介するのではなく、時流にあわせて提案する。ニュースなどで働き方が問われている中で、人材系はネタとして取り上げられやすい。
  • 時流×社長、社員
    社長が育休をとったサイボウズ。これも育児休暇の問題や、産休などがニュースになれば、その時流にあわせて提案することで大きく取り上げられることは必至。
  • 時流×オフィス、イベント
    オフィスを他社と比べたり、掛けあわせたり、また採用イベントの紹介なども時流に乗せやすいネタ。
  • ロゴ
    ブランドロゴをクラウドソーシングで募集するなど、現代の働き方の時流に沿ったネタ。

となります。

上記のネタはそれぞれ力を持っているものですが、単に出すのではなく、時流と組み合わせることで大きく膨れ上がり、ニュースに必要な3点セット、社会背景、新ジャンル、キワモノをおさえることが出来れば、高確率で拾ってもらえるようです。

2.活字への露出

ネタが決まれば、次は活字への露出です。前述しましたが、ここがクリアできれば勝ちは半分以上決まったようなものです。ディレクターは活字で情報を集めていますからね!

では、どのように活字への露出を確保し、テレビへとつなげるのか?
それは以下の2通りとなります。

  • 専門誌→一般紙→五大紙→テレビ
  • WEB→新聞→テレビ

これはまさに、情報が伝達する流れと同じ!
流れに沿って情報の露出を確保することで、最後にはテレビに繋がるということなんですね。

3.ディレクターへのアプローチ

ネタを時流に合わせて設定し、活字への露出が済めば、次にやることはディレクターへのアプローチです。ディレクターより取材依頼があったなら、その時の接点を逃してはなりません。

準備したネタが響かなくても、雑談からそのディレクターが何を追っているのかを聞き出すことが大切。それも、今だけの話ではなく、以前は何を追っていた?普段は?そして次は何を追うつもりなのかを聞き出すとのこと。

さらに、ディレクターから取材依頼が無い場合は、似たようなコンセプトの番組のテロップでディレクターの名前を確認し、番組の問合せ欄から逆に飛び込み営業をかけることもあるそうです!

4.発信し続ける

記事を出し続けること、活字の露出を増やし続けていくことで、テレビから見つけてもらう確率が上がるとのこと。当たり前だけど、途中で諦めてしまうのが人間ってもので、やはり行動力と継続力が実を結ぶと再認識させられました。

て言うか、もうこれノウハウ全公開じゃないですか!

本当はまだあるけど強引にまとめ

サイボウズPRセミナーは満員

サイボウズのPR手法、ここまで公開して大丈夫なの?とこっちが不安になるほど、詳しくお話していただきました。テレビに出るなんて、夢のまた夢っすよとか思ってた自分が、もしかしたら出れるんじゃないか?と思うほど、とにかく実践的な内容。

本当は、テレビリサーチャーの桜井さんのお話もあるんですけど、もう椋田さんのお話でボリューム満点なので、そのお話はまた別の機会にレポートします。

次はテレビでお会いするかもしれませんね。
ご存知、ゆうせいでした。