広報の現場にライターが足りない!今知っておきたい広報支援ライターという働き方

ども、ゆうせいです。最近はライターと聞くとすぐにWebライターに結びつけてしまうのですが、実はライターのお仕事ってまだまだ幅広いわけで、そしてブルーオーシャンも…

そこで今回は、五反田・大崎のコワーキングスペース「CONTENTZ」の交流会でのトークセッション「広報支援 × ライターの仕事」にてお聞きした、ライターってこんな働き方もあるんだと目からウロコが落ちたお話をしたいと思います。

後方支援じゃなくて広報を支援するライターとは?

今回お話をしてくださったのは、企業広報支援ライター・編集ディレクターとして活躍されている「大島 悠」さん。もともとはデザイン会社でディレクターとして働きながら、コピーなどライティング業務も兼務していたとのことです。

oshima_y大島 悠(おおしま ゆう)
企業広報を専門にしている、フリーランスのライター・編集ディレクター。会社案内や各種ウェブコンテンツ、広報誌、パンフレットなどを中心に、取材・インタビュー、ページの編集・構成~ライティングを請け負っている。

そこで、企業広報の現場におけるライティング業務の需要を知ったことが、フリーライターとして活動するきっかけとなったそうです。

どこから仕事が来るかと言うと、企業と直接つながっているわけではなく、パンフレットなどの制作会社から依頼されることが多いとのこと。

では、企業広報の現場におけるライティング業務とは、一体どのようなものなのでしょうか?

需要が増えているのは「ブランディング系」

Startup Stock Photos

コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティング、オウンドメディアなどをよく聞くようになったと思いますが、これらいわゆるブランディング系の文章は広報の現場でも必須と言えます。

会社案内、広報誌、採用情報、販促用パンフ・リーフレットなどなど、Webサイトだけではなく、印刷物も多く、内外に向けてさまざまなメッセージを発信する必要があります。

例えば、社長メッセージ、企業理念、ビジョンなどもそれらに含まれます。さらにもっと言えば、行動指針や採用情報なども重要になってきます。

自社のイメージ、他社との比較、いろんな要因を含めて、内外に響く、伝わる文章を書かなくてはいけない。そんなブランディング系の文章作成における、コンサルを含めたライティング業務に需要が集まっているようです。

でもこれって、よく見れば普通の編集者、ライターとあまり動きは変わらないわけです。ただ、ちょっとだけ立ち位置が違うというか、とらえ方次第と言えると思います。

社長メッセージの作成においても、社長インタビューからの記事作成とほとんど変わりませんよね。

でも、意外とそれをやっている人がいない。

企業とライター、お互い欲しているのに出会わない。それが非常にもったいないとも語ってくれました。

大島さんはどうやって今の仕事を得たのか

では、大島さんはどうやって広報支援ライターという仕事を得ているのか?

とても気になりますよね。そこは聞いても教えてもらえないだろうなぁと思っていたら、全部教えてくれました。

まず大島さんは、パンフレットなどの制作会社に片っ端からDMを送ったとのことです。新規営業ツールと言えばDMなわけですが、正直今どきDMなんて送っても捨てられるだけじゃ?って思いますよね。

でも、大島さんのDMは違う。捨てられない、開封してもらうための工夫があります。

それは、

  • 封筒の表書きに「外部ライターのお知らせ」と明記する
  • 捨てるのを躊躇するくらいの紙を使う
  • 制作フローを載せる

というもの。順番に説明します。

封筒の表書きに「外部ライターのお知らせ」と明記する

Envelope

先ほども言いましたが、企業はライターさんとの出会いを求めています。なので、封筒の表書きに「外部ライターのお知らせ」と入れることで、とりあえず開封してもらいやすくなります。

何も書いてないと、よくある営業DMとの違いがわかりにくく、まとめて捨てられてしまう可能性がありますから。なので、とにかくここにライター情報がありますよと宣言しておくということです。

捨てるのを躊躇するくらいの紙を使う

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次に、「捨てるのに躊躇するくらいの紙を使う」こと。DMは自分の変わりの営業と言われていますが、それは内容だけじゃなくて、見た目も大事です。

普通紙で作成された冊子と、キレイな光沢、触り心地の良い上質な紙で作成された冊子ではどっちが良いかなんて説明する必要もないですよね。これを捨てるのはもったいないと思わせる。捨てないから残る。残るということは、また手に取る機会が生まれるということ。

実際に、DMを送ってから1年後に問い合わせがあったこともあるそうです。

制作フローを載せる

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最後に、「制作フロー載せる」ということ。広報の担当者さんは、何がどうやって作られるのか、そのフローを知らないことが結構あるみたいです。なので、しっかりとした制作フローを載せておくことで、安心させることが出来ますし、その後の業務を進みもスムーズになります。

恐ろしいことに、制作会社の若手にもこの流れが分かっていない人が多いとのことで、自分を守るためにも入れておいた方が良さそうです。

広報支援ライターとして働くメリット

さて、質問コーナーでマインドについても色々とお話していただいたので、そちらもお伝えしたいと思います。

同業者、競合ライターはいますか?
いるのかも知れませんが、探しても見つからないです。助けてほしいこともあるので、むしろ情報を求めています。
 
これ、すごい話ですよね。大島さんが探しても見つからないってことは、企業や制作会社がどれだけ苦労しているかってことが分かります。

広報支援ライターをやっていて良かったと思うことは?
普通に生きていたら絶対に関わらない人、物、知識と出会えることです。いろんな価値観、考え方、働き方に触れることもできるので、好奇心が強い人は特に向いていると思います。
 
いろんな会社のいろんな経営者の方や広報、サービスに触れられるって素敵すぎますね。勉強しながらお金がもらえる仕事と言えるかもしれません。

DMを送る制作会社はどうやって選定したのですか?
やはりWebサイトがしっかりしているところを選びました。また、自分がやりたいことと近いと思えるところにDMを送りました。
 
DMをこだわって制作すると同時に、そのこだわった(ある程度高価な)DMを送る先にもこだわる。もったいないですからね。

Webと比べてスケジュールなどに違いはありますか?
案件によっても違いますが、Webほど刹那的なスケジュールではないので、そんなに追われることありません。
 
これを聞いて思いっきり羨ましいと思ったのは自分だけじゃないはず…。刹那的とは、まさにというか、ピッタリの言葉です。

さいごに

広報支援ライターという働き方。ここまで公開していいの?と思うほどに詳しくお話していただきました。Web業界にいると、どうしてもライターというとブログやメディアで書く、と思いがちですが、まだまだいろんな可能性があることを知りました。

さてと、DMを作ってくれる業者さん探しから始めましょうかね。

それではまた。
ご存知、ゆうせいでした。

リンクいろいろ

大島さんのサイト「大島 悠のウェブログ」
会場はこちらでした。五反田のコワーキングスペース「CONTENTZ」