発想と実装の間をつなぐ AI:人工知能特化型メディア

エンタメだけでなくビジネスとして。スポーツ×AIの未知なる可能性

つい先日、慶応大学にて行われた『KEIO SDM “Sports X” Conference』のカンファレンスに紛れ込んできました。

データによる結果予測や戦略立てなどなど。さまざまな面で最近注目を集めている『SPORTS × AI』の世界において、今何が起こっているのか。そしてこれから何が起ころうとしているのか。以下レポートです。

SPORTS × AI の注目企業4社が揃った注目セッション

お邪魔させていただいたのは、同イベントのパネルディスカッションとして開催された「スポーツxAIの可能性」というセッション。なんとド平日の午前10:00のスタートにも関わらず、会場は立ち見が出るほどの超満員でした。

まあ、それもそのはず。この日のこのセッションはちょっとあんまり見ないレベルで豪華な顔ぶれだったんです。

多くのスポーツデータを扱い、今や国内ほとんどのメディアへ超速報試合結果などを提供するスポーツデータの元締め的な存在データスタジアム』金沢さんをモデレータに

ディープラーニング技術を用い、バレーなどの競技で『セッターが次にどこにトスを上げるのか?』などを予測。スペシャリストの感覚的な部分をAIに落としこみ成果を出しているLIGHTzの乙部さん。

ランダムフォレストやディープラーニングなど複数の機械学習手法を用いて野球の投球予測や打撃予測や勝敗予測などをするスポーツ予想解析メディア『SPAIA』、日本版プロ野球ファンタジースポーツ『プロ野球 リアルリンクス』をローンチ予定のグラッドキューブの金島さん。

独自エンジン『AMY』による動画解析でサッカーの試合動画から人物それぞれの動き、ボール保持者の動きを分析。難しいと言われるボール軌道の分析などをも可能にしてしまったAutomagiの櫻井さん。

これだけ揃えばそりゃ朝っぱらから人だらけになるわけです。納得。

予測データは『楽しむため』から『勝つため』の活用へ

イベントはまず4人がそれぞれ自社の実績や現状について紹介していき、その後本番のトークセッションへ。

とにかくそれぞれの発表が面白く「もうそんなことできるようになってたの?」の連続でしたが、全員に共通していたのは以下のような考え方。

  • AIはこれからもっともっと技術的に身近なものになる
  • だからこそ『何に活かすのか?』ありきでないと何もできない
  • そうでなければ分析された結果データに値段が付かない
  • 値段が付くのは『面白い発見』ではなく『勝てる指標』

もうなんというか、予測ができたー!わーい!おもしろーい! とかではなく。ガチなビジネスの世界の話になってるんだ!ってメッセージの圧がものすごかったです。

なかでもグラッドキューブ 金島さんが語られていた事例がなかなか興味深かったので、ちょっとだけピックして紹介してみます。

―金島
既にUSでは『スタジアムCM』や『グランド看板』をどんな人が見て購買に至ったのかどうか? といったデータを連結させて分析し、クリエイティブのテストを回すなど本格的な試行がスタートしています。

―金島
それどころか、チームが獲得する選手を選ぶ際にも機械学習アルゴリズムが用いられ、『現段階で年俸が安く、かつこれから活躍する可能性が高い選手』を見つけてきては買い付け。

育て、そしてFAさせることで利益を生み出す……といった完全なビジネス観点での活用が進んでいるんですよ。

なんて話も。んーさすがアメリカ…。

技術により取得可能となる より多くのデータにどう向き合うか

それこそ日本においても『取得可能なデータ』自体は技術の進歩と共にガンガン増えていくのが目に見えている現状。

なるほど。確かにビジネス的な観点でもって『このデータからこう推論を立ててそれを○○に活かしたい』といった意思を持たなければ、あっという間にワケワカメになってしまいそう……ですね。

たった1時間にその道の先駆者4名が入り乱れて喋るもんで頭パンッパンでしたが、非常にテンションの上がるセッションでした。

中村 健太 by
数多くのメディアコンサルとコンテンツクリエイティブに関わってきた経験を持つ株式会社ビットエーのCMO。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長を務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」「Webディレクション最新常識」など。