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宇宙から奴隷をさがせ!AI×画像解析で解決する社会課題

最近、画像解析を使ったサービスってどんどん出てきてますよね。身近なものでいえば、スマホで写真をとるときに顔にフォーカスしてくれる機能や、Facebookに写真をあげたときに誰が写っているか特定してくれる機能など。AI技術の進歩もあり、ちょっとずつ生活を便利にしてくれるものがいろいろ出てきています。

今回は、ちょっと違った観点で、衛生写真と画像解析技術を使って奴隷問題を解決しようという壮大なプロジェクトを紹介していきたいと思います。

数百年続く奴隷問題。人工知能の到来で解決につながるか

ノッティンガム大学が始めた、Slavery from Spaceプロジェクトは、人工衛星の画像から奴隷が強制労働をさせている場所を見つけ出そうと取り組んでいます。

方法としては、

  • 人工衛星の画像から、自動で奴隷が働かされているレンガの釜(※)を検索
  • 保護団体に場所の情報を提供する

(※レンガの釜で奴隷を雇用している場合が多いので、レンガの釜を目印にしているそう)

文章で説明すると、すごく簡単になってしまいますが、ざっくり説明するとこんなかんじ。

レンガの釜の画像をシステムに学習させ、自動で発見できるようにしているんだそうです。今までは、NGOの人が自分の足を使って探したり、人工衛星画像とにらめっこして探していたんだとか……。相当な労力かかってますよね。

それをテクノロジーの力を活用して、効率的に探すことができるようになりました。

デジマラボでも以前、宇宙産業に関してとりあげたましたが、これまでの活用方法って、天気の予測や自動運転、農業などの商業的なデータ活用が多かったと思います。

それが、違う分野で活用されることで、インパクトを作り出したのは珍しい例ですね。

すでに場所を4,000ほど特定。大きな可能性がある人工知能×社会課題の分野

もっと詳しく、画像解析の活用までの流れを見てみたいと思います。

まず、ボランティアがGoogleMapに表示された奴隷が働いているとされているレンガの釜をシステムに教え込みます。

そこから、ボランティアが入力した情報をシステムが学習して、レンガの釜を自動で識別できるように教育。あとはGoogleMapを自動でシステム検索して、取得した画像にレンガの釜が映り込んでいるかを判別。というのを繰り返す仕組み。

現在は、明確にわかるレンガの釜を目印にしていますが、今後さまざまなパターンを学習させていくそうです。

人の目で確認していると、見逃しも多かったはずですし、非効率だったと思います。それを機械が識別するようにすることでより早く、より多くの奴隷問題を発見できそうですね。

プロジェクトでは、奴隷が捕まっている可能性のある場所を4,000程、実際に特定しているとか。ものすごい数……

人工知能のビジネス的な応用が騒がれている一方、NGOでの人工知能の活用もこれまで解決が困難だったさまざまな問題を解決しそうな気がしています。

衛生画像と画像解析が可能にする新しい産業

画像解析は今回の例のように衛星画像だけじゃなくて、自動運転や医療などにも応用されています。

これまで人がやると時間がかかりすぎたり、人の目では不可能だったようなことも画像解析を使えば、大きく可能性が広がりそう。

今回の例のように、僕らが普段あまり接しない分野での活用もどんどん始まっています。今後の展開にも期待です。

小野寺 雄大 by
「曲がったことが大嫌い」が信条。デジマラボではマーケティング全般の記事を担当。その他、クラウドファンディングやHR-Techになどに強みがある。