発想と実装の 間 をつなぐメディア

利用者数450万。急伸するマネーフォワードが実際におこなったマーケティング施策とは

moneyforward

みなさん、こんにちは。

利用者数450万という大人気の自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』はデジマラボ読者なら知っていますよね。

いったいどうやって自動家計簿・資産管理サービスの価値を広めたのでしょうか。

株式会社マネーフォワードの森さん、木村さんにお話をうかがってきました。

森裕子さん:PFM本部 副本部長、PFMサービス開発部 部長。マネーフォワードのプロダクトマネージャー。
木村友彦さん:PFM本部 サービス開発部 副部長 兼 マーケティングGリーダー。マネーフォワードのマーケター。

アグリゲーションでお金の流れを可視化する

―大人気のマネーフォワードですが、どういったユーザーが多いんですか?

―森
結構意外に思う方もいらっしゃるんですが、実は30、40代のIT系男性が多いですね。

そうなんですか…! 筆者も意外に思った1人です。

てっきり主婦の方が多いのかなと、恥ずかしながら勝手な想像をしていましたが、お話を聞くとマネーフォワードは情報を集約することにより、日々のお金の流れを可視化するというのがコアバリューなんだそう。

なるほど、そこを見ると確かにIT系の人が多そうなイメージです。

株、証券、銀行預金、家、土地、年金などすべての資産を一元管理することにより住宅ローンの見直しやマンション売却(ちなみにマネーフォワードで現在のマンション価格も見れるそう)に役立つとのこと。

そういった情報をアグリゲーションするためには金融機関などのIDやパス、クレジットカード情報を連結させる必要があり、女性にはそういった作業が苦手な人が多く、株や投資をしている新しいモノ好きな男性から使われはじめたんだそうです。

アグリゲーションとは:集約する、集合体、集合させるといった意味を持つ言葉。マネーフォワードでは金融機関の入出金明細やクレジットカードなどの利用明細をウェブ上から集めてくる技術を意味する。

となると、初めはITリテラシーの高い、投資や資産運用に興味がある、いわゆるイノベーターやアーリーアダプターがメインユーザーだったというわけ。でも今は450万ユーザーもいます。そこからどうやって広げていったのか気になります。

―森
そこは正攻法で、マネーフォワードの価値を正しく伝えるということをやりました。

利用者にとってどこが価値になるのか、ということも深掘りしていきました。

3年前はまだ利用者数が100万以下だったそう。(にしてもすごい数ですが)

ユーザーを増やそうと、お金をかけて集客したそうなのですが、アグリゲーションの部分で理解が薄く離脱したりと、集めたユーザー数にくらべて残ったユーザー数が少なかったんだとか。

バケツに水を入れても、穴が開いていれば水は貯まらないというのと同じでしょうか。

まずはリテンションしてもらうために、どんなドライバーが必要か。アグリゲーションの価値を伝えてキャズムを超えてもらわなければいけません。

どんないいコトがあって、なぜアグリゲーションをするのか。というのを正しく伝えることに注力したんだそうです。

さらにプレミアムサービスへのCVRをあげるために、銀行や証券会社、クレジットカードなどの連携数の拡大やUIの改善をおこない、効率が良くなってきたところで、ユーザー獲得に再チャレンジした結果、いまの利用者数まで伸びていったんだそう。

なんだか有名サービスのこういう話をきくとやたらテンションあがりますね。引き続き聞いていきます。

エンゲージメントの違うユーザーをセグメントする方法

―具体的にユーザーを獲得した施策はなんだったのですか?

木村さん

―木村
ズバリTVCMですね。

家計簿にも需要があがるタイミングがあるんですよ。そのタイミングで打ちました。

“一年の計は元旦にあり”ともいいますが、年末年始は家計簿をはじめる人が多いんだそう。

そのタイミングでTVCMしたことにより、“家計簿”での検索流入が増え、大量のユーザーが獲得できたそうです。

利用者が増え、有料のプレミアムモデルにアップセルしてもらって、はじめて売り上げとなります。

アプリをインストールした瞬間がもっともモチベーションが高く、インストール後すぐにプレミアムモデルにするヒトがもっとも多いんだとか。

フリーモデルは登録件数などに限りがあり、件数を増やすためにはプレミアムモデルにする必要があり、まるで元旦にやることリストを書いているとノッてくるみたいな感じと近いんでしょうか。

なんにせよ。ファーストコンタクトがもっとも大事……どういう商材でもそうですよね。

とはいえマス広告(TVCM)だと獲得ユーザーのエンゲージメントが違うのでファーストコンタクトのUI設計など難しそうな印象があります。

―木村
おっしゃる通りです。

なので、エンゲージメントの違うユーザーには、初期動線で4つにセグメントをして対応しました。

十数秒のTVCMでは、フワッと入ってくるヒトから、ある程度の知識を持って入ってくるヒトまでさまざま。

そこで、クレジットカードの使用頻度とネットバンクの使用頻度の高低で2×2の4パターンにわけたんだそう。

アグリゲーションしてもらうことがコアバリューに繋がるので、ホットなユーザー(図左上)にはネットバンクやクレジットカードの連携を進める通知を出し、反対にコールドなユーザー(図右下)には、そういった情報をださないといった、ユーザー情報による出しわけをおこなったとのこと。

連携を薦めるときも、さらに詳細に所持しているカードの種類などを質問から選択してもらい、その返答によって具体的な連携の方法をプッシュ通知するんだとか。

(YES、NOを選ぶだけで自分の正解にたどり着くアキネーターみたい……)

お金に関するサービスだけに具体的な方法を教えてもらえれば、利用者は安心ですもんね。なるほど、よくできています。

ビッグデータによる家計簿の新しい価値

お二人

―木村
僕らは3つのフェーズというのを考えています。

フェーズ1は、アグリゲーションして情報を一元管理して可視化すること。

フェーズ2は、可視化したデータを使って、同じ属性の人と比較して、どこに問題があるのかを発見することです。

いままでだと、家計簿を他人と比較する人はいなかったと思います。

正確にはできなかった。やらなかった。

しかし、マネーフォワードのビッグデータを使うことにより、理想の家計簿との比較ができる。これはIT化することによってできた新しい価値だと思います。

―森
これからのフェーズ3は、改善のやり方がわからない人に対して何をしたらいいのかを伝えていくことです。

パーソナライズされたメッセージを出すことによって改善していこうと思っています。

例えば、不動産ローンの状況が悪くても、リテラシーが低い人にいきなりローンの比較サイトを伝えても選択することができません。

パーソナライズして、その人にあった解決策を提案していくことが次のフェーズなんだとか。

提案は人力か人工知能かは教えてもらえませんでしたが、筆者予想では人工知能でやるような空気を感じました。(※完全なカンです)

なんでもザル管理していると、思ったより損をしているもの。マネーフォワード、筆者も使っていますがほんとにオススメです。

家計簿をつけると得をする? 新しい仕込み

今後はアグリゲーションしなくても、ただ家計簿をつけているだけのヒトも得をする仕様を仕込み中なんだとか(まだ秘密とのこと)

ポイントかな、クーポンかな、なんて想像しながらリリースを楽しみに待ちましょう。

森さん、木村さん、お忙しいところたいへんありがとうございました。

AZUMAX by
MA、O2O、SNS、スマートアグリ、HR、形態素解析、ディープラーニング、ビックデータ分散処理など幅広く流行りの技術やマーケットをなるべくカンタンにご紹介。コーヒー片手に読める!が自分テーマ