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【先端マーケター飲み対談】MAの達人3人が語るMAとマーケティングの未来

MA元年と言われて2年ぐらい立ったような気もしますが、まだまだMAと言えばホットワード。

国内事例も少しずつでてきて、「こうしたらこういった成果がでる」なんて知見もいろいろなところで溜まってきたように思います。

そうなると気になってくるのが、MAを使いこなしている達人たちは今後MAをどう使っていくのかということ。

もう一歩突っ込んだMAの話を知りたい!

ということで今回デジマラボでは、MA、そしてマーケティングの最先端にいる3人の対談をセッティング。フランクに話していただくために、お酒を片手に語っていただきました。

達人たちが語るマーケティングやMAの未来とは。お酒があったこともあり赤裸々なトークになりました。


対談者紹介

(左)永井俊輔

株式会社クレスト 代表取締役社長
株式会社ドラミートウキョウ 代表取締役社長
グリードナーチャリング株式会社 代表取締役社長
代表を務める会社のひとつ、グリードナーチャリング社では、MAの導入・運用支援・コンサルティングなどを行なっている。著書に「実践マーケティングオートメーション」。

(中)水谷博明

株式会社HDE インサイドセールス & デジタルマーケティング マネージャー
セールスフォース・ドットコム社のインサイドセールスユーザー分科会の会長。MAや、インサイドセールスについての講演を多く行うマーケティングのスペシャリスト。
>> デジマラボでの以前のインタビュー記事

(右)大里紀雄

株式会社マルケト カスタマーサクセス部 ビジネスコンサルタント
Google アナリティクスを軸としたコンサルティングや、プライベートDMPの構築に長年従事。アドテクロジーの活用だけでなく、デジタルマーケティングの運用までを踏まえたコンサルティングを得意とする。2015年より、マルケトにてカスタマーサクセス部 ビジネスコンサルタントとして、多様な規模、業種のお客様にMarketoで成果を出していただけるよう支援を行なっている。

>> デジマラボでの以前のインタビュー記事

MA運用で勝ちパターンの必要条件は担当者の「フルコミット」

―すごくざっくりとした質問でも申し訳ないんですが、MA導入の現状ついてどう感じていますか?

―永井
導入企業は増えてきています。ただ、海外と比べるとまだまだ……という印象ですね。

たまに海外出張するんですけど、自己紹介する際にMAの導入支援してますみたいなことを言うと、彼らは

「俺も使ってるよ、てかみんな使ってるっしょ?」

的な感じなんですよ。

なるほど。国内では導入を検討してる企業がまだまだ多いという状況でも、海外でMAはもはや当然。

使われ方という観点でも、日本とアメリカにおけるMAの差はまだまだあるんですかね……?

―大里
そうですね。日本と米国の現状には違いがあるとは思います。
ただ、よく勘違いされるんですが、日本と米国のマーケティングの課題はほとんど同じなんです。

マーケティングが供給したリードを営業がうまくフォローしてくれないとか、組織作りはどうすればいいのか、CMOがいない……といった感じですね。

一方で、MAの活用レベルの観点で言えば、日本企業がフルにMAを活用できてるかというと、そういう段階ではないかもしれません。

この2-3年前ごろからMAを導入されはじめ、今はPDCAの最初のチェック段階という感じで、どの企業も課題が見えてきて、次のアクションを取ろうとするフェーズにあると感じています。

海外と日本でマーケティングのレベルが大きく違う……なんてこともよく聞いたりしますが、そんなこともないんですね。

MAの一般的な活用度では違いがあるものの、Sansanの石野さんが、Marketoの世界中の顧客やパートナーの中から「Marketo」を最も効果的に活用し、ビジネスの成功に貢献した人に贈られる賞「Revvie Awards Marketer of the Year」を受賞したりなど、先端企業では世界に引けをとらないレベルになってきているのかもしれません。

>> デジマラボのSansan石野さんインタビュー記事

といってもやっぱり気になるのは、一般的なMA導入企業の現状。

―大里
さきほど、永井さんも言われていたように、MAを導入している企業はありがたいことに順調に増えてきています。

ただ、現状の利用状況から少し危惧していることは、MAツールを単なるメール配信ツールと認識されることが多く、そもそも広報や他の部署の方が担当者となるケースが意外と多いんです。しかしこれからは、成果を出すためには、マーケターを専任にする必要があると思っています。

―水谷
たしかに専任は必要ですね。

ただBtoBの場合に関していつも思っているのが、営業担当者が絶対にMAを触った方が良いということです。人海戦術的な攻め方しかできない人間も違った攻め方をMAという武器で実現できるってことを、インサイドセールスを兼任してる身としてはほんとに実感していますね。

―永井
担当者という点で言うと、中小企業の場合は社長や役員の方がMAツールを扱えると成功するケースが多いと感じています。

一方で、ある会社では若い新卒2-3年目の女性2人のチームが営業も経験した後でゼロベースでMAを始めたりしてますよね。しかも成果も出してる。

その会社では、結果として営業チームへテレアポリストなどを流す際に、MA導入前はアポ獲得率10%台だったのに対して、もちろん流してる量は減ってるにしても70%台になったり。

そうなんですよねー。新卒数年のMAツール未経験者でもそれだけの結果を残せる可能性がMAにはあるんですよね。

3人の話に共通していたのは、片手間でMAをいじっても大きな成果はでないということ。担当者をしっかりとおいて、これでもかというぐらいに使いこなす。

これがやっぱり勝ちパターンなんでしょうね。

MAはコミュニティを通して成長するクラウドサービス

―担当者、必要ですよね。ただ担当になったもののMAについてあまりわからない……なんて人もこれからもっと増えそうな印象があります。

―大里
そのあたりはコミュニティでカバーできそうですけどね。手前味噌ですが、マルケトでは非常にコミュニティの活動が盛んです。

この間、面白いことがあって。飲み会をユーザー会の後に実施して10社ほど来たんですが、居酒屋なのに後半1時間ぐらい全員PCを持ち出してマルケトにログインしてわからない機能などを教え合っていたんですよ(笑)

―水谷
そういうのありますよね(笑)

その事例からもわかるように、MAのようなクラウドツールを使うということは、自然と情報共有が必要になるんですよね。なのでNDAとか関係なく、MacやWindowsのように同じユーザー同士がより高め合うのがこれからの時代に必要なのではないですかね。

―永井
「なぜそこまで盛り上がるのか」というのがすごく面白いと思っていて。たぶん、それはマーケティングツールだからなんですよ。

マルケトユーザーがサービス精神旺盛というのもあるかもしれませんが、フランクなコミュニティはツールの性質が関係していると思いますね。

確かに、マーケティングツールについての話ってすごく盛り上がるんですよね。永井さんがおっしゃる通り、性質の話なのかもしれません。

マーケターさんって不思議と横の繋がりも非常に強いですし。そういうことも関係しているのかもしれないですよね。

新しい機能もどんどん追加されていく中で、不明点や悩みなどいろいろな質問がオープンにできるコミュニティの力が非常に重要だな……と改めて感じました。

ITとMAが働き方を変えている

―MAに限定しなくていいんですが、なにか最近考えていることはありますか?

―永井
そうですねー。web会議をどう社内に広めるか、という取り組みを今しています。

最初にお話にしたように、アメリカ人はやっぱりITリテラシーが高い。これはMAに限った話ではなく。

例えばお客さんとの会議もweb会議で行うケースが当たり前なんですよ。だからビジネス街でもスーツを着ている人が少なくて。

最近僕がすごく思うのは、これはブログでも書こうと思ってるんですけど、国土の面積とITレベルの普及度は結構相関してるのではないかと思うんですよね。

―大里
その話、面白いですね! web会議、なかなかまだ流行らないですよね。

僕もお客様先にでていることがほとんどなので、時間をどうやったら効率的に使えるか?というのはすごく考えています。

移動時間が本当にバカにならないので……。その時間をクライアント側に使えるとなれば、もっともっといろいろなことができると感じているんですが。

―水谷
いやー、たしかに面積とITレベルの普及度にはすごい納得ですね。

web会議という点では、実はHDEにはリモートセールス部隊がいて、1都3県以外の地域は訪問せずに受注までもweb会議で行うんですよ。

そこでわかるのが、地方の方のほうが来てもらえないと思ってる方が多いので、むしろweb会議でも全然ウェルカムで対応してくれて。むしろ嫌がるのは中の人です。かつITリテラシーは1都3県のほうが高く、でも地方の企業は情報を取り入れたいのでそこは利害関係があってるんですね。なのでweb会議は結構盛んに行われてます。

―永井
それはすごくいいですね。

web会議などを増やしていけば日本の生産性はめっちゃ上がると思っています。弊社でも営業がお客様とwebミーティングの回数を評価項目にいれたりする取り組みもおこなっていまして。
お客様のITリテラシーの違いによって差が生まれるので、評価は少し難しいんですが、とにかくweb会議を推進してます。

web会議中のアクションもMAでトラッキングするといったことも考えていますね。

自由度の高いMAツールとデータ

―みなさんが考えるこれからのマーケターとかMAってどんな感じですか?

―大里
マーケターのポシションの領域が広がってきて、いまやマーケターはサービス全体のユーザーエクスペリエンスまでカバーしています。
お客さんの購買などの一連の流れを数値化するプロジェクトなどもよく聞くんですが、それに何百万投資するならこれからはMAを使うべきですね。MAツールはあらゆるデータを取り込めて、かつAPIが解放されているので非常に自由度が高くすごく面白いです。まだまだ可能性があります。

個人的にはCRMを飲み込んだりできたら面白いなーなんて思ってまして、そのような未来の描き方で広がっていけばデータの量も世界一もてるだろうし、そう考えると益々発展が期待できると妄想してます。

―永井
あー、CRMを飲みに行くのはいいですね。

MAツールを使えばあらゆるデータを引っ張れるので、例えば購買データ引っ張り、この洋服買ってる人はこの服も興味あるなーとかの傾向をつかめます。それをレコメンドしていくのはCRMやDBだけではできない。CRMを飲み込むとはまさにそういうことで。

―永井
将来的に面白いのはクレジットカード会社の購買データとMAツールの組み合わせはもっと活用すべきだと思っていますね。どこのお店でどれぐらい買ったかは購買データを取れて、クレジット会社がメール配信代行サービスをやったら、この人は週に1回イタリアン食べてるよねとかわかるわけですよ。そういう組み合わせは面白いですね。

なるほど! とんでもない可能性を確かに感じますね。○○×MAという文脈でまだまだいろいろなことができそう……と改めて感じるぐらい新たな気づきです。

―水谷
MAツールは社内のインフラとしてすごいポテンシャルがあるのを感じています。社内向けのアラートを送って、それを開封して見ているかトラッキングしたり、なんてこともしていて。中枢となるデータさえあればAPIでデータを繋げるし、自社サービスにもMAを組み込むことが可能なので非常に良いですね。

人事ではまだ使えていないので、今後MAを活用していきたいと考えてます。採用者とのコミュニケーションではリクルーティング会社には依存したくないので、インターンの時代からデータを貯めてナーチャリングして、優秀な人材を採用したいですね。

いやー、MAツール恐るべし!話せば話すほどMAのあらゆる可能性が見えてきて、これからのマーケティングやMAの動向が気になります!

今回はマーケティングはもちろん、MAの観点からも最先端にいる3人からの鋭い意見や彼らの考える未来の展望を知ることができました。
(もっともっといろいろな話を伺えたのですが、お酒が入っていたこともあり、記事にできるのはほんの一部でした……笑)

MAの一歩先を見ることができ、現在導入を検討している、もしくはすでに導入している企業にとって参考になる、非常に内容の濃い対談になったのではないでしょうか。

またMAは現代のマーケティングツールとして、もはや当たり前、というのを再認識させてくれる良い機会でした。

永井さん、大里さん、水谷さん、お忙しい中ありがとうございました!

河村 健司 by
ライター兼エンジニア。海外でのフロントエンドエンジニア経験を経て、ビットエーへ。主にチャットbot関連の情報を追いつつ、自分で試しつつ、なんなら自分でも組んじゃう。なんてことをやったりする。