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Google Data Studioすごすぎ。レポート作成時間を完全にゼロにする無料BIツールが現場を変える

Google「BIツールも無料にしよう」

もうリリースから数ヶ月経つので知ってるって方も多いかと思いますが、次はBI(Business Intelligence)ツール、つまり事業上のいろんなデータを可視化してアレコレ判断しやすくするためのツールをGoogleが無料で開放しちゃったよ。という話。

やや今更感もありますが、『Google Data Studio』を実際に使って活用してみた感想含めて改めて紹介してみましょう。

まずGoogle Data Studioとは何か?

基本的には『多様なデータを分かりやすく可視化して事業判断をしやすくする』ためのBIツールの一種。有名どころだと『Tableau』とか『QlikView』、『Domo』なんかと機能的には競合ですね。(もちろん細かいところで特色は色々あるけど)

元々は有料(月100万とか)のツール『Analytics 360 Suite』シリーズからの無償版スピンオフで、とにかくMade by Google の利点をフルに見せつけてくれます。

スクショを撮るまでもない超カンタン利用法

  • Google Data Studio へアクセス
  • 右上の「すべてのテンプレート」から適当なテンプレートを選んで
  • データ連携先選択(GAでもスプレッドシートでもSQLでもOK)
  • おわり

こんだけです。

本当にこれで、ザッと以下のような超わかりやすいシートを作成することが可能です。

作ったデータをクリックすればデータ指標の細かな変更や設定ができますし、編集モードをOFFにすればグラフ上の点にマウスオーバーで各指標数値も確認可能に。

まだまだβ版ということなんですが、ほぼ不自由なくデータの可視化(グラフ描画と描画加工)が可能。…これβじゃなくなったらどうなるんでしょう。


特にGoogle Analytics解析データ、およびAdWords出稿データとの連携のしやすさはさすがの一言で、ディメンションや指標データなども自由自在。

アドバンスドフィルタやカスタムレポートみたいなものは使えませんが、そもそも『たった一つの画面』『各KPIの指標データ』が見える。これだけで「あ、実はカスタムレポートとかあんまりいらなかったんだな」というのが実感できるんじゃないかと。

アドバンスドでは無いですが、フィルタ機能は標準実装してくれてるので『このシートのデータをモバイルユーザーオンリーで絞り込む』みたいなのは全然できちゃいます。便利。

外部データと連携で無敵の無料BIツールに

何より素敵なのは、スプレッドシートやSQL、BigQueryなどの外部データをごっそり持ってくることもカンタンということ。

つまり例えば…

  • 会員登録してから最初のCVまでのスパンが短い流入経路はどれか?
  • コンテンツの属性 × ターゲットユーザー別SNS反応効率分析
  • 詳細なユーザーログ情報ごとの行動履歴データグラフ描画

とか。そんな感じのデータ可視化がカンタンにできるということ。

これまでExcelやらスプレッドシート、Google Analyticsに自社CRMデータ…などなどのデータ間をいったり来たりしつつ、印刷してまとめて、その過程でパワポとブラウザを20往復くらいしなければ作れなかった『パッと見て分かる事業判断用レポート』が一瞬でできる…。

というか、URL開けば出来てて大体分かる…ということが可能になるんです。それも大した手間もかけずに。

最高です。

ちなみにデジマラボでの実際の活用法

デジマラボの場合は定性的指標として、各記事毎にスプレッドシートに「記事ネタの属性」「ターゲットの心理状態」なんかをウラで(カテゴリやタグとは別に人力で)記録していたのでこれを活用。

通常のGA連動型レポートに加え、何の属性をもった記事をどんなターゲット狙いで編集すればよりSNS上でのスピーディな反応獲得が可能なのか?なんてことをバブルチャートで分析して編集戦略に活かしたりするのに使っています。

もうね、手放せないどころの騒ぎじゃないです。本当。

まだまだ出来ないことも多いけれど…

そもそもが有料版360からの無償版スピンオフってこと、まだまだでできないことも多々あります。例えば

  • Data Studio側からのクエリ発行・計算などは無理。なので事前計算は必要
  • スプレッドシートとGAのデータを合算してチャート描画…みたいなのは無理
  • GA Assistantデータの取得はまだ無理っぽい。これできたら最強なんだけど
  • 印刷コマンドはなし。これはこれで「印刷すんなし」って意図が見えて格好いい

こんな感じですね。

とは言え、おそらくGoogleが誇るAI『Assistant』との連携は多分そのうちやっちゃうんでしょうし、「このデータから読み取れる改善点を見る」なんてコマンドが追加されるのはそう遠くなさそう。

異なるデータソースの合算描画と計算機能はつけてくれるとありがたいなぁ…とは思いながらも、ぶっちゃけ無くても全然使えます。まぁ、これからの展開に期待…ですかね。

Googleからの強烈なメッセージ『いいから脳みそ使え』にしびれる

上記でも触れましたが、この超絶使えるBIツール『Google Data Studio』、なんと印刷のコマンドが全くありません。(※もちろんブラウザ側の印刷機能で強引に印刷することはできますが)

なんていうか、「ダラダラ分析レポートづくりなんかしてないでサッサと施策考えな!」というGoogleからの強烈なコンセプトメッセージが伝わってくるようでちょっと痺れますよね。

  • もう紙データ(作った瞬間古くなるデータ)の時代は終わった
  • レポート作成なんて仕事もいらなくなる
  • それより「何をするべきか」を考える”人にしかできないこと”に時間を使いなさい

なんとなく、そんな事を言われている気分になってしまうGoogle Data Studio。利用も維持も完全無料ですんで、まずは使ってみてくださいな。

ではまたー。

中村 健太 by
数多くのメディアコンサルとコンテンツクリエイティブに関わってきた経験を持つ株式会社ビットエーのCMO。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長を務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」「Webディレクション最新常識」など。