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文章の感情分析に絵文字を活用?MITが取り組むAIプロジェクト「DeepMoji」

マサチューセッツ工科大学(MIT)は、AIで文章中の感情を分析するために、絵文字を活用する画期的なプロジェクトを進めているようです。

プロジェクトの主役『DeepMoji』は、文章にマッチする確率の高い絵文字を表示するAIとのこと。

これまでも人工知能で文章から感情を分析するプロジェクトは多々ありましたが、皮肉な表現や遠回しな文章表現から感情を読み取りが難しいという欠点がありました。

この問題を解決するために、絵文字というところに目をつけて、それを教師データとして扱ったってのが大きな特徴みたいですね。

その文章に合う絵文字を推定することで、その文章がポジティブなのかネガティブなのか、どういった感情が込められているのかを類推する……ということのようです。おもしろい!

MITの提唱する「Artificial Emotional Intelligence」

「Artificial Intelligence」という言葉は、20世紀から使われ続けています。
DeepMoji開発プロジェクトでは、その事実をふまえて、現代の技術を使い「テキストに含まれた感情を表現できるArtificial Intelligence」という意味合いで、DeepMojiのことを「Artificial Emotional Intelligence」と呼んでいるそうです。
ですが、基本モデルとして、統計や数学に基づいたアルゴリズムであることには変わりないとのこと。

SF映画のような、人間的な感情のあるAIではないみたいです。

精度を裏付ける膨大なデータ量

まずこのプロジェクトでは、64個のよく使われる絵文字を選定し、絵文字がどの感情を表すのか図式化するというところからスタートしているそう。

その後、選定された絵文字が使われている12億のツイートをデータベースに格納、AIに文章と絵文字のセットの規則性を学習させたそうです。データ量がはんぱない……

この巨大なデータベースのおかげで、ネガティブな意味を持つ単語がポジティブな意味合いで使われている状況であったり、文脈によって捉えかたが変わる単語にも対応できるわけですね。

やっぱり説明だけだとわかりづらいので、デモをさわって確認していきます。
今回は、公式ホームページの例にあがっていた「shit」と「love」という単語でいろいろやってみます(下品な単語を使っちゃってゴメンナサイ)

その結果がこちら。

絵文字の分析が進んで感情の言語化にまでたどり着いたらかなり応用が広くなりそうですね。

それにしても「I love you」と「I love it」のように、両方とも大好きって意味だけどニュアンスが違う、みたいな状況で別々の絵文字が表示されるのには驚きです。細かく解析ができている証拠ですね。

「Shit」のようなネガティブな単語も、「This is the shit!」という表現では「最高だ!」というポジティブな意味合いになりますが、DeepMojiでは上手いこと判別できています。
今までのAIによる感情分析では、ネガティブな感情に分類されていたであろう文章が180°違う結果に変わるわけです。

使用感は、感覚的な話になってくるので個人差があるとは思いますが、的外れな絵文字はありませんでした。

次世代チャットボットと先進的な研究の要に。DeepMojiの未来

DeepMojiの担当者によると、チャットボットをより人間ぽくすることや、他分野の研究などへの活用を見込んでいるようです。


より人間に近いチャットボットへ

現時点のチャットボットでは、遠回しな書きかたや、皮肉な書きかたをされると、相手の感情を正確に理解することが難しいのが現状。
ですが、DeepMojiで集めた学習データをチャットボットに活用することで、理解できる表現の幅が広くなるかもしれないですね。
鬱病患者のカウンセリングや、カスタマーサービスなどの質が一気に向上することも十分あり得ます。
そうなったとき、チャットボットが爆発的に普及していきそうですね。


他分野研究とのシナジーで広がる未来

今回DeepMojiの研究で得られるデータは、コンピューターサイエンスや感情の研究だけでなく、現代文化の研究や、精神医学など、分野問わず幅広い応用を考えているとのこと。
表情分析や音声分析の研究とかけ合わせて、より人間的なロボットが組み上げられるなんてことも、あり得るわけですし、夢がありますよね。

始まったばかりのプロジェクトですが、研究が進んで精度が上がっていけば、活用法はもっと増えていきそうです!

実際の研究に使われているコードが公開されているので、実際にプログラムに組み込んでみるのもおもしろそう。

DeepMojiがどう進展していくのか、楽しみですね!

小出 拓也 by
イギリスでの大学生活を経て、日本へ。最新テクノロジーを取り入れた生活にとにかくはまっている。日本語でも英語でも滑舌はよくないが、気合いで乗りきるタイプ。