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スタートアップの急成長を実現した偉人マーケター達がイベントで語った「成功の法則」

Bizreach、sansan、freee、フロムスクラッチ共同開催のマーケイベントに行ってきた

おはようございます。アズマです。

デジマラボでもお世話になっている、ビズリーチSansanfreeeフロムスクラッチという急成長企業のマーケターが集まって語り合うイベントに呼んでいただきました。

イベントは、あらかじめ用意された質問に登壇者の方々が答えていくスタイルで進行されたのですが、さすがの面子だけあって、面白い話がたくさんあったので、簡単にレポートします。

登壇メンバー:(左から)青山弘幸さん(ビズリーチ)、三浦將太さん(フロムスクラッチ)、木本俊光さん(freee)、日比谷尚武さん(Sansan)

導入していないほうが遅れているという空気ができたので、これは攻めどきだと思った。

青山さん

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司会者
みなさん企業の急成長を実現された方々ですが、事業成長する上でどんな課題にぶつかりましたか?そしてどう解決したんですか?
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ビズリーチ
青山さん
サービスやマーケティングの課題を上げるとキリがないのですが、僕たちは約7年で社員が2人から700人に増え、事業が複数あって…という状況だったので仲間集めと組織づくりには特に力を入れてきました。

垂直立ち上げをして、事業を成長させ続けるのがベンチャーなので、とにかく優秀な仲間が必要。

事業フェーズによって求められるマーケティングの役割やスキルセットも変わり続ける中、組織づくりは簡単ではありませんし、現在進行形で試行錯誤しています。

顔写真
フロムスクラッチ
三浦さん
私達はマーケティングのファネルでいうところの最初の“認知獲得”に苦労しました。

もちろん、今でも“どうやって認知させていくのか”というのは大きな課題です。

ベンチャーはお金が潤沢にあるわけではないので、どうやって認知してもらうか?

そこからどうやって購買や成約につなげていくか?を科学していくことは非常に重要です。

特に我々の場合は、プロダクト名の認知もなければ、マーケティングプラットフォームやマーケティングオートメーション(MA)といったカテゴリ名の認知も全くありませんでした。

ターゲットも限定されているため、幅広いセグメントにアプローチしていく施策は効果が薄いので、狙ったターゲットをピンポイントで攻め、成功体験を作り、それをどう広げていくかについて考えました。

流行り言葉で言うところの「アカウント・ベースド・マーケティング(ABM)」に近い手法かもしれません。

立上げ期に一番大切だったのは、リストを0からしっかりと作り、どの会社のどの事業が、自社のプロダクトと合っているのかを徹底的に検証していったことです。

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freee
木本さん
僕たちはユーザー向けの認知拡大という意味では初動は割とうまく行ったと思っていまして、ソーシャルを活用してファン経由で一気に広がりました。

はじめはweb × インバウンドで広げていたものが、もっと導入までサポートする必要性に気づき、セールス組織を構築する。

その後は経営者や経理の方のパートナーである会計事務所との協働に力を入れる必要に気づき、会計事務所向けの専門組織を急速に拡大させる。

といったように、そのときのフェーズによって新しい組織や役職が必要となり、新しいことに取り組んでいるうちに大きくなっていったというような感じです。

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Sansan
日比谷さん
僕たちの場合は、スマホもない時代からなので、クラウドに業務データを置くのが大丈夫か?といった、名刺をクラウドで管理するという概念が市場になかったので大変でした。

例えば「名刺管理サービス」と伝えると、従来のパッケージソフトなどと比べられ、わざわざシステム投資をしようと思っていただけないので、敢えて「名刺管理」という言葉を使わず、CRMとか顧客管理というキーワードで訴求したりしていました。

最初は、「名刺のクラウド管理なんてお金だしてやらないよー」と言われていたのが、「いやー、お恥ずかしながらまだウチはやれてないんだよね」と変わってきたなと感じるタイミングがあって、導入していないほうが遅れている。という空気ができたので、これは攻めどきだと思いました。

職種が違うので当たり前ですが、みなさん、課題や解決方法が三者三様でした。

課題にまっすぐ向き合って、根本的なところから解決するケースもあれば、ちょっと違う角度から攻めて課題を避けていくパターンもあります。

成功には決まったルールはなく、柔軟に対応するのがいいんだな…と改めて感じました。

会社の代表者より、ビジョンや価値基準の方が上の存在としてある

三浦さん

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司会者
長く必要とされ続けるために必要なマーケターの資質、経験はなんだと思いますか?
顔写真
フロムスクラッチ
三浦さん
数字で語れない人はダメ。

ここどうなってる?って聞かれた時に、数字で語れない人はダメです。

例えば、ある施策の成果を聞かれた際に、各プロセス間の数値まで細かく検証していて、それに対して理由、そしてどうすれば良化するのか、その対応策まで返答できる人がいるチーム・組織は必ず伸びます。

あとは、今後のトレンドを考えた際に、人工知能であったりIoTなどのテクノロジーに対しても、それなりの知見を持っているマーケターの方がマーケットバリューは出ると思います。

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Sansan
日比谷さん
マーケターは価値をどう売っていくか。だと思います。

それには経営だったり数字の理解がないとダメで、そのうえで何に注力したいのかを決めないといけないので柔軟性が大切です。

テクノロジーに対しては、変わっていくものなので、あんまりツールバカになりすぎてもいけないかなと…。

オフラインでもオンラインでも対応できないといけないと思っています。

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ビズリーチ
青山さん
マーケターは総合格闘家。

パンチだけじゃなくキックや寝技も出来ないとダメだと思います。

キャッシュもブランドも体制もそろった企業のマーケターは別ですが、僕たちのように立ち上げからグロースのために一人何役も担う必要があるベンチャーにとってはフルスタックマーケターという言葉がしっくりきています。

事業成長のために何でもやるというマインドセットとスキルットはマーケターに必要な資質だと思います。

またマーケターは社内でもっとも世の中や顧客を向いた存在でいないといけないと思っています。

常に世の中や顧客の課題やインサイトに向き合い、プロダクトやセールスと一緒になってサービスを改善させる存在である必要があると思います。

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freee
木本さん
事業やテクノロジーへの理解がないと、そもそも数字も見れないですからね。

システムに入れるデータの入れ方がむちゃくちゃだとそもそも取り出せないので…

基本知識は大事ですが、その上でマーケターとしては、数字が何の影響で生まれるのかっていう“数字を生む要因”や“どうやって数字を作るのか”がわかるようになるための嗅覚は重要だと思います。

その上で、やってみないとわかならないから、まずやってみる!ていうのも弊社のスタイルです。

弊社には「マジ価値」に代表される5つの価値基準があって、迷ったときには価値基準に沿っているかで意思決定します。

社長や上長より価値基準が上の存在としてあるので、価値基準に沿っているかが大切で、そのため承認プロセスも多くありません。

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Sansan
日比谷さん
うちもビジョナリー経営ですね。ビジョンの奴隷だ!と代表は言っています。

自分の意見よりもビジョンにあっているかという判断をしています。

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フロムスクラッチ
三浦さん
「数字しか必要ない!」みたいに聞こえてしまったかもしれないので、ちょっと弁解させてもらうと(笑)、数字は大事なんですけど、これは個人が必達すべき業務ミッションの成果を表すうえで必要なことなんです。

いわば“約束ごと”ですよね。

ただ、どうしても数字に縛られすぎると思考が停止してしまうものです。

そのため、達成すべき目標としての数字を成約条件として置き、あとはその数字を達成するために自由に発想する。

論理と直感の振れ幅をいかに作れるかが大事です。

そうでなければ、新しい取組みも生まれません。

あともちろん、弊社もビジョンへの共感は大切にしています。

顔写真
ビズリーチ
青山さん
事業立ち上げの時はKPIを追うだけでなく、ミッションやビジョンも大切だと思います。

それなしに数字だけを追うと世の中に認められません。

マーケターは世の中を向いて、ミッションをどうデザインするかというのが問われるんだと思います。

数字を見れることや、数字の理解が重要だという話があった一方で、数字だけ追ってもダメという話も。

最後の方で話にあがっていた「会社のビジョンをどう体現するか」という点は、結構心に刺さりました。

明確なビジョンがない…なんて企業の話もよく聞きますが、少なくとも登壇された4名は会社のビジョンを非常に重要視しています。

会社に限らず、1プロジェクトや1事業、1チームという単位でもちゃんとビジョンがあるかどうか?

改めて真面目に考える機会になりました。

マーケターとして必要なスキルは広報から学ぶ!?

木本さん

顔写真
司会者
インハウスマーケティングについてどう思われますか?みなさんのご意見をうかがいたいです
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ビズリーチ
青山さん
インハウスマーケティングの良いところは、顧客のデータや実際の生の声をサービスに反映させながら、マーケティング活動が出来るということ。

顧客に向いたマーケティング活動を通して、ユーザー体験を最大化することができます。

また、我々のマーケティング活動は、常に色々なことに挑戦しなければならないので、個人のキャリアも実践を通して多くの学びを得られると思います。

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フロムスクラッチ
三浦さん
弊社の場合、「B→Dash」というマーケティングシステムを導入した企業がどんどん広義での“インハウス組織”になっていくことを目の当たりにします。

事業が大きくなればなるほど、縦割り型に組織が分かれていくことが多いと思います。

マーケティングという軸で見ても、各プロセスごとに担当する組織が違う、というケースは多かったりします。

それが「B→Dash」を導入すると、マーケティング組織が再編されていきます。

本質的なKPIが新しく設定され、それを実現するために“あるべき組織”に再編されるからです。

インハウスと聞くと、どうしても「外注せずに全部自社でまかなう」という意味合いが強かったりしますが、その本質は「正しいKPIを達成するために、組織内のコンセンサスが取れていて、改善もスピーディに実施できる」ところにあると思います。

事業としてのKGIは絶対に共通のはずなのに、組織間が連携しあっていないのはもったいないですよね。

「B→Dash」の導入を通じて、そのように組織が再編・強化されていくケースを何度も目にしてきました。

顔写真
freee
木本さん
インハウスはリアルタイムに改善したい部分、ブランドや体験の一貫性が重要な部分には不可欠です。

ただ、弊社は状況やリソースに応じて制作物を外部にお願いしていますし、わりと外と内は使い分けるべきかなとも最近思っています。

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Sansan
日比谷さん
僕はみなさんと、あえて違った広報の視点から。

マーケターはもっと広報のやり方を学んでもよいかと…。

スペックや小手先のテクニックではなく、会社全体の素材を活かしてストーリーテリングして、思いやパッションを伝えるのも大切です。

これはインハウスじゃないと難しいと思います。

マーケターだけが温度が高かったり、理解していたりしていても周りはついてこない。

大勢に伝わるように考えている広報から、その「伝え方」を学ぶのはたいへん参考になるお話でした。

間口を広げた人材獲得は失敗のもと。価値基準が合わない人を絶対入れない

日比谷さん

顔写真
司会者
では、最後に1つだけ質問できる時間がありますが、どなたか質問ございますか?
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お客さん
急成長すると、中途採用で何かしらの知識をもっている人たちが集まってくると思うんですけど、スキルが高い人が集まっているのにカルチャーが違ってうまく結果がだせないという経験とかってありますか?
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Sansan
日比谷さん
起こりうることだと思うので、それを避けるために、会社のミッションに共感できるかどうか、カルチャーを重視して採用しています。
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freee
木本さん
僕たちも採用時点のスキルにふってないですね。第一にミッションや価値基準への共感。

その次に、新しい環境でもチャレンジしてキャッチアップできる素養を重視しています。

マーケのスキルに差があったとしても、共通の価値基準に則って議論し、スキルギャップも埋めていけば良いので、私個人としてはご質問のような体験をしたことはありません。

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フロムスクラッチ
三浦さん
私たちも、採用の入り口を絞りまくっています。

入り口を広げて、スキル重視で「エイヤー!」で人材をとると、遅かれ早かれ絶対失敗します。

だから価値基準が合わない人は絶対入れません。

やせ我慢するんです。

これはベンチャーあるあるだと思います。

長い目で見たときにカルチャーで採用した方がいい。

事業が成長していき人材はどんどん必要になっていく中で、そこをどう対応していくか。

優先順位やコントロールも、会社としてのビジョンが明確になっているかどうかに依るのかもしれません。

さいごに

他にもいろいろ面白い話はあったのですが、文章量の関係で割愛。

マーケターの観点での話も非常に面白かったのですが、個人的に一番心に残ったのは企業のビジョンの話。

組織の上に行けば行くほど、“意志”が大切で、突き詰めていった結果、社長の上にビジョンがある。

事業の急成長を実現させた4名がいうと非常の説得力がありました。

どうしても事業の急成長中って個々人が「あれ?なんのためにやってたんだっけ?」という風になりがちです。ビジョンやカルチャーに共感できるかどうか。またそれを体現できるか。そこに価値観を持つことで、マネジメントという意味でもうまく機能するんだろうな…なんて考えました。

お誘いいただき、ありがとうございました。

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