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【まさかの無料】チームで使えるHR-Tech『AI人事部長』が狙う、横軸人事プラットフォーム

おはようございます、デジマラボ編集長の飯野です。

最近、デジマラボでも人を増やそうと、面接をよく組んでいるんですが、先日こんな気になるサービスのリリースが。

 採用活動をしていると、面接時は優秀に見えた人材が、実際に採用してみると会社の文化や社風に合わなかったり、逆に後々考えたら適切な人材だったのに不採用にしてしまったと後悔することはありませんか?「AI人事部長」は、学術的・最先端の技術を使い、性格診断システムとAIを使って面接アシスト機能を提供しています。

海外でもよくあるHR-Tech系のツールか……? なんてスルーしそうになっていたのですが、なんとこのサービス「無料」とのこと。

であれば、使わない手はない! てことで、早速いじってみました。

採用にはもちろんですが、チームマネジメントの部分でもかなり役立ちそうな印象。あとは、自己分析とか。

使ったデジマラボメンバーは、かなり盛り上がってましたよ。

『AI人事部長』って?

AI人事部長は、人事に関するいろいろなことをサポートしてくれるツール。

チームメンバーや応募者に用意しているアンケートに答えてもらって、その人の強みや特徴を見える化。チームがどういう状況なのか、または応募者がチームにフィットするか……などを分析してくれます。

ストレートなネーミングも気になるところですが、結構すごいんです。この動画を見ていただくと、イメージが湧きやすいかもしれません。

できることはざっくりこんな感じ。

チームメンバー個々人のマネジメントのサポート

  • プロファイリング分析:メンバーがどういった価値観を持っているか
  • メンタルパワー分析:各人のストレス耐性や感情統制力などの評価
  • 個性活用マニュアル:それぞれが好む対応やNGワードなど。モチベーションを上げるために必要な事項などの提案

面接のサポート

  • 「この人ぽい人を欲しい!」「こういう人とは違った人材を欲しい」を会社のメンバーの中から選択
    • 事前に応募者にアンケートをしてもらうことで、面接より前に応募者の特性を分析
    • 分析の結果、応募者がチームが求める人材かどうかをAIがあらかじめ分類
  • 今まで聞いたことあるっちゃあるサービスのような感じですが、なんといっても実際に使ってみることができるのが大きなところ。

    早速使ってみます!

    アンケートは10分程度。それでチームとメンバーの全てがわかる(かもしれない)

    AI人事部長を使うのはすんごく簡単。

    こちらにアクセスして必要事項を入力後、チームのメンバーをツール内で登録、各メンバーにアンケートの依頼を投げるだけ。ちなみにメンバーの名前などは本名じゃなくてもOKです。

    メンバーの登録がいちいち手動だとめんどくさい……という場合は、csvからの読み込みもできるそう。

    アンケートの設問数は70問と、そんなにすぐ終わる量ではないんですが、正確な評価にはデータ数が必要ですし、まあまあ許容できるレベルかなあ、と。時間も公式のリリースだと15-20分程度と書いてありますが、実際にデジマラボメンバーでやったところ、10分かからないぐらいで回答可能でした。

    チームの管理者側からは、こんな感じで個々人の結果が見れるようになっています。


    いくつかの項目の高スコアと低スコアの一覧。同様のデータはレーダーチャートでも確認可能

    なかなかに細かく出ていますよね。

    気になるのは信憑性ですが、分析ロジックには最新の学術研究の結果を反映しているそう。元となるサンプルデータも1万超あるそうなので、それなりに信じてもいいデータと言えるのではないでしょうか。

    デジマラボメンバーのそれぞれの結果をみましたが、概ね当たっているような感じを受けました。本人たちも結果を見ながら納得していたようです。

    上記の画像は個人のデータの例ですが、チームとしてどういう特徴があるか、ということも確認できます。

    マネージャーとして非常に助かるのは、「個性活用マニュアル」。

    上記はほんの一部で、もっと細かく書いてあるのですが、この粒度でメンバーとのコミュニケーションについて記載があると、コミュニケーションの仕方も再考できますね。僕もメンバーの結果を見て「もう少しコミュニケーション気をつけよう……」なんて反省する部分もありました。

    これらのデータは公開範囲を管理者側でも決められるようになっていて、たとえば「情報シスのメンバーの結果は、他の部署の管理者には見せないようにしよう」なんて設定も可能。

    そして個々人の結果は、ボタン1クリックで、pdfにして回答者とも共有することができます。その際に回答者にみられたくない項目だけ削って、pdf化なんてことも可能。

    確かに本人に知らせたくない情報もあるかもしれませんしね。結構かゆいところに手がとどく設計になっています。

    面接よりも前に、AIが応募者を分類

    さて気になるAI部分ですが、面接アシスト機能で使われているよう。

    面接の基準となる価値観をこちらで設定すれば、応募者のアンケートの結果と面接基準とを比較して、AIが応募者の分類をおこなうんだとか。

    基準の作り方ですが、理想に近い社員と、そうではない社員をそれぞれ1名以上選んで、大事とする価値観をチェックボックスにぽちぽちといれるだけ。

    この辺りはメンバーを多くいれればいれるほど、精度があがっていくんでしょうね。たぶん。

    あとはその基準に対して、どの応募者を適用するかを選択するだけです。こんな感じでデータが出てきました。

    今回は理想的な応募者はいなそうですね。。

    現在はYES/NOの結果しか出ないので、なんだかあっさりしていますが、今後データが溜まってきた段階で、どの程度理想の人物に近いか/遠いかというパーセンテージでの評価や、どの部分でそう判断したか、という理由も付け加える予定なんだそう。

    にしても、人のバイアスがかからない結果が何かしらでも出ているのは非常に役立ちそう。今の段階でも十分に面白いなーとは感じました。

    会社単位ではなく横軸で刺す人事プラットフォーム

    ここまで使ってみて、「このツールどこでマネタイズするんだ、、?」なんて疑問も浮かんだので、開発元の株式会社WORKUPに問い合わせてみました。

    ―WORKUP

    マネタイズはまだ検討中ですが、将来的には課金(別機能)・広告などを検討しております。

    なるほど、まだ検討中なんですね。なんだか裏でいろいろなデータが取れているので、多くのマネタイズ手法が考えられそうです。

    どこの会社がどういう価値観の人材を欲しがっているかというデータもあるので、それこそ人材系にも活かせそうですし。

    ―WORKUP

    人事情報は個人情報の観点からブラックボックス化されている領域で、今までのデータを有効活用できていないということがありました。

    理想的な社員でも退社してしまっては何も残りませんし、人材紹介会社へ伝える人物像は曖昧なものになってしまいます。

    確かに。理想の社員の価値観をデータとしてもっていくことで、退社後にも資産として使えるようになるわけですね!

    ―WORKUP

    良い社員もそうでない社員のデータを今後の採用に繋げることにより、より企業は採用活動を効率的にやれるのではと考えています。

    AI・ディープラーニングにより会社単位の縦軸ではなく、横軸のプラットフォームになるのが理想ですね。

    会社という縦軸ではなく、横軸のプラットフォーム……。

    今まで採用って企業の中で閉じて考えられていたのが当たり前っちゃ当たり前でしたが、価値観をベースにすると、この企業が理想とする人の価値観と、この人の価値観が合うかどうか。という大きい軸で見られるようになりますもんね。

    確かに、そこは会社によって、というよりは人と人との相性の話なので、どの会社でも同じロジックが使えます。そのデータをドカっと抑えられれば、今後非常に強そうですよね。

    今までそういう視点で考えたことなかったなあ……。非常に勉強になりました。

    再度、リンク貼っておきます! いつから有料になるかわからないですし、とりあえず使ってみるとおもしろいかと。

    >> WORKUP AI人事部長

    HR-Tech×AIも現場レベルで現実味を帯びてきた

    いろいろ書いてきましたが、このツールはいまのところ無料というのが相当大きいのではないでしょうか。

    いままでも同じようなHR-Techのツールは特に海外でありましたが、なんといってもたっかい使用料を毎月払う必要がありましたし。

    そしてこういったツールって人事が使うのがメインだったと思うのですが、各部署のマネジャー・リーダーが使うような設計になっているあたりも特徴だと感じます。

    これから有料としていくのか、別のところでマネタイズをするのかはわからないですが、AI×HR-Techという分野が、ようやく実運用にのってくるイメージを強く受けました。

    そのときに今の人事というポジションの役割は大きく変わるのか、それともそこまで変わらないのか。

    そういった観点でもこれからますます、この分野のテクノロジーが楽しみですね。

    ではではー。

    飯野 希 by
    BITAデジマラボ編集長。前職はメーカーのユーザビリティエンジニアとして活動。ビットエーではデータサイエンティストとしても活躍しつつ、デジマラボを軸をした事業開発をおこなう。