先輩・上司ならおさえておきたい後輩・部下へのうまい教え方

ども、ゆうせいです。みなさんは誰かに何かを教えるとき、どうやって教えていますか?上手く伝わらず困ったことはありませんか?

実は、Javaプログラミングの入門セミナーに参加したらそれがスッキリわかったので、今回はそのお話をしたいと思います。

参考:『スッキリわかるJava入門 第2版』『同 実践編 第2版』出版記念セミナー「Javaプログラミングをスッキリ学ぶための10のコツ」 | インプレス

お話してくれた先生はこのお二人です。

nakayama_java中山 清喬(なかやま きよたか)
株式会社フレアリンク代表取締役。現役プログラマ。講義スタイルは「ふんわりスパルタ」。学習中にいだく「なぜそうなるのか」という疑問にしっかり答える教え方に定評がある。著書に『スッキリわかるJava入門』『同 実践編』『スッキリわかるSQL入門 ドリル215問付き』。
okada_java岡田 大輔(おかだ だいすけ)
日本オラクル株式会社 オラクルユニバーシティ ビジネス推進部所属。Oracle Database、Fusion Middleware、Java、Solaris等の技術分野の研修、資格推進担当として研修・認定資格の企画やセミナー実施などの普及活動に取り組む。Oracle認定Java資格試験の監修も担当する。

上手く教えられないのは違いを知らないから

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人に教えるのが苦手、下手だと思っていますか?
それとも相手の理解力が不足しているんだと怒っていますか?

これ、どっちも解決するかもしれませんよ。上手く教えられないのには原因があるのです。

先生曰く、

「知ってる」と「使える」が違うように、「使える」と「教えられる」も全く別

とのこと。

つまり、仮に自分はものすごく仕事ができるとして、仕事を教えることも上手とは限らないというわけです。

人それぞれ得意分野、理解力、想像力に違いがありますので、自分が教わった内容そのままに伝えたところで、それを理解してもらえるとは限らないということ。

だからまずは、「できる」と「教える」は全く別の能力であることを理解しなくてはいけない。

その上で、何をどう伝えれば理解してもらえるのかを考える。これが大事だとのことでした。

じゃあ具体的には以下の通り。

トップダウンとボトムアップを使い分ける

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トップダウンとボトムアップ。知ってるよって方も多いと思いますが、使い分けできているかと聞かれれば、「ぬ?」ってなっちゃいますよね。

どこから教えることで、相手の理解度が全く変わるってことを知っておく必要があります。

人によっては、まず全体像が知りたくて、それから細かく教えて欲しいってタイプと、まずは何から取り組めばいいのかを知りたいタイプがいるわけです。

前者はトップダウン型、後者はボトムアップ型ですね。

これを把握せずに、自分がトップダウン型だからと全体像から説明しても、ボトムアップ型の人からすれば、「え、話が大きすぎて自分のやることが見えないんですけど…」ってなってしまいます。

逆に、自分がボトムアップ型、相手がトップダウン型の場合は、「なんでこれをやる必要があるのかもっと全体像から話してもらわないと…」ってなってしまう。

もちろん全てのケースに当てはまるわけではなく、まず全体像から説明が必要な場合もあります。そんな時は上手いこと組み合わせたらいいとのこと。

単純な全体像をトップダウンで見せた上で、細かいところをボトムアップで教える。

相手に伝わってないと感じたことがある、または、相手に理解力が無いなと感じてしまったことがあるならば、今一度自分の教え方を見なおしたほうが良いかもしれませんね。

もっと簡単に教えるにはどうしたらいい?

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トップダウンとボトムアップの使い分けについては分かりました。でも、そもそも全く何も分かっていない人に教える場合、トップやボトムよりももっと簡単に説明する必要があるわけです。

例えば新社会人や新入生など、全くその社会に触れていない人には、もっともっと簡単に教えなくてはいけない。

ではどうするか?ってこともお話いただけました。

それは、

  1. 小出しにする
  2. デフォルメ(変形、歪曲)する
  3. 題材を選ぶ

というものでした。順番に説明します。

小出しにして教える

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これはボトムアップに近いところもありますが、まず簡単なこと、手をつけるべきことしか見せないという方法です。

逆に言えば、むずかしい部分を隠すということ。少しずつ教える。少しずつ動かしてみる。一度に多くのことを教えようとしてもついてこれないから。

プラモデルなどが近いですね。いきなり完成形を見せて、これを作れと言われても何から始めていいかも分からない。でも、まずはほんの小さなパーツから作っていく。小さなパーツとパーツが組み合わさって中くらいのパーツになっていく。そして最後には完成形になるわけですよね。

デフォルメしてしまう

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ものすごく複雑なものを、思い切って単純化してしまう。身近な例でいけば、円周率とかもそうですね。バッサリ「π(3.14)」にしてしまう。

ただ、これは教える側の能力が高く求められる方法とのことです。何をどんな風にデフォルメすることで、逆にあとから困ることにもなりかねません。

また、教えてもらう側の能力も正しく見極めておかないと、ただデフォルメしたものだけを信じ、本来の姿をちゃんと学ぼうとしないかもしれない。どれだけ信じられるかがポイントであるとのことでした。

題材を選んであげる

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これは何かに例えてあげるって方法です。それも教えてもらう側にとって身近なものや、大好きなものだと余計に理解が深くなるとのこと。

例えば、パソコンのメモリとハードディスクの違いを説明するとき、メモリは机の広さで、ハードディスクはキャビネットの大きさだと説明するのは有名ですね。

また、ゲームやアニメのキャラに例えて説明したり、映画のストーリーになぞって説明してあげることで、より興味をもって理解しようとしてくれるとのことでした。

しかし、実はこれらの方法には注意点があります!

教える側としての覚悟、勇気はあるか?

少しずつ教える、デフォルメする、題材を選んであげるという方法、ものすごく簡単に教えられるわけですが、これには教える側の勇気が必要になります。

なぜなら周りの目があるから。

自分は分かりやすくデフォルメしているとしても、周りの人からすると、「え、何そのいいかげんな教え方…」となる可能性がある。

もっと言うと、「あいつ説明下手だな」と思われてしまう危険性があるわけです。

仕事をゲームに例える勇気、厳密に言えば不正確になる説明をする勇気を持たなくてはいけないということ。

ただ、こうも語ってくれました。多くの場合、勇気をふるうべき真の相手は、「教える側としての自分」であるということだと。

さいごに

Javaプログラミングの入門セミナーに参加して、まさか今の仕事、いや、全てに使えるお話が聞けるとは思いませんでした。

自分は教え方が下手だから伝わらない、相手の理解力が低いから伝わらないと嘆く前に、まだまだやれることがあると思いませんか?

これから先輩や上司になる方の参考になれば嬉しいです。

ちなみに当日のスライドはこちらから見ることができます。

それではまた。
ご存知、ゆうせいでした。